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ご 紹 介

ちょっと耳寄りな、新刊情報、講演会、シンポジウム、見学会等のご紹介です。




●世田谷区・九品仏浄真寺で、講演会「仏像修理物語〜九品仏阿弥陀如来坐像修理の実際」開催(11/26)(2016年11月19日)



九品仏(九品の阿弥陀如来像)でしられる、東京都世田谷区の浄真寺で、「仏像修理物語〜九品仏阿弥陀如来坐像修理の実際」と題する講演会が、2016年11月26日に、開催されます。

開催要領は、以下のとおりです。




詳しくは、世田谷区HP・
浄真寺講演会ページをご覧ください。

ご存じのとおり、九品仏浄真寺には、9躯の丈六阿弥陀如来坐像が、3つの阿弥陀堂に安置されています。
上品上生から下品下生まで、1躯ずつ異なった印相で造られている、大変珍しい九品阿弥陀仏像です。
江戸時代の制作で、東京都指定文化財に指定されています。

九品阿弥陀像は、江戸時代の制作ですが、極めて優れた造形の優作です。
3メートル弱の阿弥陀像が、各堂に3躯ずつ安置された有様は、壮観です。

   
(左)阿弥陀堂安置の九品仏像と、中品中生像(左・修理前、右・修理後)

この九品阿弥陀仏像は、近年傷みが目立つようになり、平成26年度から45年度まで、1躯の修理に約2年をかけ、20年をかけて順次修理が進められることとなりました。
修理は、京都の財団法人・美術院の工房にて行われています。
最初に修理された「中品中生像」は、今年(2016年)3月に修理を終えて、阿弥陀堂に戻り祀られました。
現在は、「中品上生像」が、京都・美術院工房にて修理中です。

この講演会は、世田谷区教育員会の主催により実施されるもので、九品仏阿弥陀如来坐像(中品中生像)の修理内容について、美術院の修理技術者の八坂寿史の講演が開催されるとともに、修理が終わった中品中生像の特別公開が行われます。

仏像修理修復の実際にふれることのできる、大変興味深い講演会だと思い、ご紹介させていただきました。





●帝塚山大学で公開講座「奈良の写真史〜工藤利三郎から入江泰吉まで」開催(12/3)(2016年11月19日)


奈良市帝塚山の帝塚山大学で、市民大学講座「奈良の写真史〜工藤利三郎から入江泰吉まで」が、開催されます。

開催要領は、次のとおりです。




詳しくは、帝塚山大学HP・
公開講座ページをご覧ください。

この講演会は、帝塚山大学付属博物館で開催される「永野太造展〜永野鹿鳴荘ガラス乾板資料を中心に」(2016年12月3日〜12月17日開催)の関連講座として開催されるものです。
「永野太造展〜永野鹿鳴荘ガラス乾板資料を中心に」は、同博物館の企画展示となるもので、昨年帝塚山大学に寄贈された永野鹿鳴荘ガラス乾板資料を中心に、写真機材、関連資料を展示し、仏像写真家・永野太造の作品像に迫る展示会です。
(詳しくは、帝塚山大学付属博物館企画展示ページ参照)

この講演会は、明治以降の近代奈良の古寺、古仏の写真家について、その作品、足跡などをたどる内容かと思います。

私には、近代奈良の仏像写真家については関心の大きなテーマで、かつて本HPに「奈良の仏像写真家たちと、その先駆者」(埃まみれの書棚から・第27話)と題する話を掲載させていただいたことがあります。
ご関心のある方は、そちらもご覧いただければと思います。

興味深い講演会で、是非聴いてみたいのですが、関西まで出かけるのは、ちょっと難しそうです。





●新刊情報「韓国仏像史〜三国時代から朝鮮王朝まで」水野さや著(2016年11月5日)


韓国の仏像彫刻通史の単行本が刊行されました。


「韓国仏像史〜三国時代から朝鮮王朝まで」水野さや著   2016年8月 名古屋大学出版会刊 【304P】 4800円

      


これまで韓国の仏像についての通史を解説した本と云えば、秦弘燮著「韓国の仏像」1979年・学生社刊ぐらいしか無かったのではないかと思います。
それから、30年近く経ちますが、その後は韓国仏像を通史的に論じ解説した本は出版されることは、ありませんでした。

今般、水野さや氏著の本書が刊行され、最新の研究成果による韓国仏像通史本が、ようやく刊行されたといってよいのかもしれません。
目次は、ご覧のとおりです。




名古屋大学出版会HPには、
「豊かな造形を誇り、独自の美を示して華ひらいた朝鮮半島の仏像史を、わが国で初めて包括的かつ平易に紹介。
古代から近世までの流れを一望にするとともに、日本・中国の作例との深い関連性も縦横に捉えて、東アジア圏での交流の重要性を浮彫りにする。
日本の仏像の理解にも必携の一書。」
と、本書の紹介がされています。

いわゆる通史本ですので、読み物として面白いという内容ではありませんが、著者の韓国仏像研究成果をふまえ、韓国仏像史を論じた密度の濃い内容となっています。

朝鮮の仏像彫刻にご関心のある方には、必携の書と云える本だと思います。





●東京国立博物館で連続講座「仏像三昧」開催(10/21〜23)(2016年8月6日)


東京国立博物館で、連続講座「仏像三昧」が3日間にわたり開催されます。

連続講座の開催趣旨は、東博HPによると、
「秋に開催する2つの展覧会、特別展「平安の秘仏―滋賀・櫟野寺の大観音とみほとけたち」と特別展「禅―心をかたちに―」をより楽しんでいただくための講座です。 当館研究員と館外の講師が特別展出品作品をまじえながら、日本の仏像についてお話します。」
ということです。

開催日は、2016年10月21日(金) 〜 2016年10月23日(日)の3日間連続で、開催時間は毎日13:00〜16:15です。
演題、講師等は、ご覧のとおりです。




参加申し込み締め切りは9月12日(月)〜抽選〜となっています。
詳しい内容、申し込み方法などは、
東京国立博物館HP連続講座「仏像三昧」ページをご覧ください。





●新刊情報「三十三間堂護法神像の謎(抜萃本)」山田泰宏著(2016.6)(2016年7月30日)



京都蓮華王院・三十三間堂の護法神像、即ち、風神雷神像、二十八部衆像の制作時期、制作仏師について考究した本が出版されました。


「三十三間堂護法神像の謎(抜粋本)」〜若き快慶・運慶らの造立か〜

山田泰宏著 2016年6月 創英社/三省堂書店刊 【234P】 1100円

皆さんご存知の通り、三十三間堂の風神雷神像、二十八部衆像は、国宝に指定されている、鎌倉彫刻の傑作です。
本書の著者、山田泰宏氏は、これら諸像の制作者を「若き、快慶、運慶、定慶」の3仏師に比定されています。
その考え方、研究成果などを論述しているのが本書です。

三十三間堂の風神雷神像、二十八部衆像は、明治期には運慶作とされることもあったようですが、、現在は、一般的には、現本尊・千手観音坐像が建長元年(1249)の罹災以降、湛慶一門の手によって再興された時以降に、制作された諸像であるとみられているようです。
これに対して、山田氏は、これらの諸像が建長元年の罹災の時救出された旨の記録があることを重要視し、諸々の研究を進めた結果、元暦2年〜建久元年(1185〜90)頃【第二再興期】に「若き、快慶、運慶、定慶」の手によって制作作されたものと考えられると論じています。

         
三十三間堂・風神雷神像(国宝・鎌倉時代)

山田泰宏氏は、鎌倉国宝館、池上霊宝館などで、学芸員として仏教彫刻を担当、「鎌倉の在銘彫刻」「古仏微笑」などの諸著作がある方です。

まだ、買ったばかりで、内容を読んでみるのはこれからなのですが、従来なかった新たな説を展開する興味深い一書と思い、取り急ぎご紹介しました。

なお、本書の題名に「抜萃本」と付されているのですが、まえがきによれば、個々の尊像の「基礎資料」や「護法神像史年譜」などを収録していない本ということだそうです。
これらを収録した「集成本」を現在企画中で、いずれ刊行される予定とのことです。





●京都・佛教大学四条センターで連続公開講座「美術史家・井上正の眼」開催中(2016年5月22日)


京都市下京区四条烏丸の佛教大学四条センターで、連続公開講座「美術史家・井上正の眼」が開催されています。
仏教美術研究者・故井上正氏の業績と思い出を回顧するという、ユニークな講座です。
既に第2回までは開催済みですが、この公開講座が開催されていることを、直近に知ったばかりで、遅ればせながらご紹介させていただきます。

本年(2016年)4月から、毎月1回、2017年1月までの、連続10回の公開講座です。
現在、第2回までは開催済みで、第3回は6月13日(月)に開催されます。


講座の開催要領、講座内容の概要などは、次の通りです。

◆開 催 要 領




◆講 座 内 容〜全10回のうち第3回目まで(開催日等・内容決定済・含実施済のもの)




詳しくは、佛教大学HP・
四条センター公開講座のご案内ページをご覧ください。

仏教美術史研究者・井上正氏は、2014年6月に85歳で逝去されました。
この講座は、その研究業績や思い出などを各講師が輪番で、評論、回顧するという連続講座ということです。

公開講座開催趣旨には、次のように記されています。

故・井上正氏
「戦後の仏教美術史の世界に大きな変革をもたらした研究者・井上正。

先生の研究は、実物資料の徹底的な観察に立脚し、既存の研究に大転換を迫るものでした。
その業績は、『日本彫刻史基礎資料集成』、『奈良六大寺大観』、『大和古寺大観』などの仏教美術研究におけるの基本文献の作成、康尚、定朝時代の定位、霊木化現仏の発見と奈良時代〜平安時代彫刻史のドラスティックな書き換え、エネルギー化生表現による荘厳の読み解きなど、実に多岐にわたります。
・・・・・・・・・・
佛教大学四条センターとの御縁は1989年から始まり、以後20年以上にわたって、多くの受講生に仏教美術の持つ奥深い魅力を豊かな表現で伝えてこられました。
本講座は、井上先生と縁のある方々をお招きし、先生から受け継いだそれぞれの想いをお話しいただきます。それぞれの講師に受け継がれた眼の人・井上正の姿を皆様にお伝えできるような講座になればと思います。」

井上正氏といえば、
「古仏」・「続・古仏 古密教彫像巡歴」(共に法蔵館刊)の著作や、
芸術新潮での梅原猛氏と共同企画特集の「美術史の革命 出現!謎の仏像」・「【出現! 謎の仏像】第2弾! 謎の仏像を訪ねる旅」(1991年1〜2月号)
などにおいて、きわめてユニークで画期的な木彫史論を主張したことで、よく知られていることと思います。
近年よく使われる「霊木化現仏」という言葉も、井上正氏が用いたことに始まるのではないでしょうか。

その主張のエッセンスなどについては、
観仏日々帖:新刊・旧刊案内〜井上正著「続・古仏 古密教彫像巡歴」【その1】 【その2】
でご紹介していますのでご覧ください。

この井上正氏の、既存の木彫史観に大きな問題提起をなした彫刻史研究の業績を回顧し、思い出を語るという連続講座が、10回にもわたって開催されるというのは、驚きました。
まさに異色の講座で、また興味津々といったところです。

私も、出来ることなら参加したいと思うのですが、関東から都度都度出かけるというのはなかなか難しく、叶いそうにありません。
関西在住の皆さんは、開催の都度、個別に出席可能ということですので、是非出かけて見られれば如何でしょうか。





●山本勉氏によるスペシャルトーク「運慶作品の認定」開催(5/17)(2016年3月26日)



東京都中央区銀座の社団法人・日本アート評価保存協会の5月スペシャルトークにて、山本勉氏「運慶作品の認定」の講演が開催されます。
開催日は、2016年5月17日(水) 18:00〜です。

一般の参加も、申し込めば可能ということです。

スペシャルトークの内容等概要は、次の通りです。

〇テーマ:「運慶作品の認定」
○日時:5月17日(火) 18:00〜 (1時間程度)
○講師: 清泉女子大学 文化史学科教授 山本 勉 氏
○会場:日本アート評価保存協会事務所(東京都中央区銀座7−4−12)
○聴講料:\500
○申込先:日本アート評価保存協会 事務局
メール:info@ja2pa.or.jp   電話:03−3569−1250

申込み締め切り日:先着順です。席がなくなり次第、締め切りと致します。

詳しくは、
日本アート評価保存協会HPスペシャルトークページをご覧ください。


このスペシャルトークがあることは、山本勉氏のTwitterに掲載されていたので、知りました。

(社)日本アート評価保存協会というのは、全く知らなかったのですが、
HPによりますと、
「美術品の公正・適正な価値を提示し、美術品の健全な市場を形成するための施策を総合的に考え、実行していくために設立されました。
多くの方々が安心して市場に参加できるよう、美術に対する正しい知識と情報を提供してゆきます。」
【スペシャルトーク】については、
「若手コレクターの育成事業の一環として、アート業界で活躍する皆様を講師に迎え、スペシャルトークを開催しております。」
ということのようです。

これまでも、
・加島勝氏「法隆寺献納宝物灌頂幡と斑鳩地方の工芸品」
・有賀祥隆氏「再見:法隆寺金堂壁画−第6号壁を中心にして−」
・浅井一春氏「白鳳の仏像−金銅仏を中心に−」
などといった、大変興味深いテーマで開催されています。

ちょっと敷居が高そうな感じもしますが、一般の参加もOKということなので、ご関心ある方へのご参考ということで、お知らせいたしました。


今回のトークテーマ、「運慶作品の認定」という話についてですが、

運慶研究で著名な山本勉氏は、運慶作品もしくは可能性の高い作品として、14件・47躯を示しています。
山本氏は、運慶作品とみられる像を、4つの要件に区分して整理しています。

私の自己流で一覧にしてみると、以下の通りとなります。



昭和30年代に、願成就院像、浄楽寺像が運慶作品と確定するまでは、運慶作と考えられていたのは、円成寺、南大門、北円堂、金剛峯寺、滝山寺、六波羅蜜寺の諸像、重源像ぐらいであったと思います。
ご存じのように、山本勉氏によって、光得寺・大日如来像、眞如苑・大日如来像が運慶作品である可能性が高いとする研究論文が発表され、大きな話題となりました。
その後も、近年続々と運慶作品、推定作品が発見され、あっという間に推定作品を含めれば47躯にもなりました。
これら47躯の諸像は、山本氏編集の最新刊「日本美術全集7巻・鎌倉南北朝時代T・運慶快慶と中世寺院」(2013.12・小学館刊)に、全て掲載されています。

今回のスペシャルトーク「運慶作品の認定」では、運慶研究の第一人者・山本勉氏から、これらの諸像の運慶作品、推定作品と考えられていったプロセスなど、興味深い話が聴けるのではないでしょうか。





●日本橋・奈良まほろば館で、講演会「天皇の棺から阿修羅像へ〜夾紵技術の謎」開催(5/18)(2016年3月26日)



東京都中央区日本橋室町の奈良まほろば館で、宮路淳子氏(奈良女子大学・人文科学系教授)による講演会「天皇の棺から阿修羅像へ〜夾紵技術の謎」開催されます。

開催日時等の要領は、次の通りです。

1.日 時 : 平成28年5月18日(水) 16:30〜(1時間半程度)
2.演 題 : 「天皇の棺から阿修羅像へ―夾紵技術の謎」
3.講 師 : 宮路淳子 氏(奈良女子大学 人文科学系教授)
4.会 場 : 奈良まほろば館2階
5.資料代等: 無料
6.定 員 : 70名(先着順)

詳しい内容、申込方法については、
奈良まほろば館HP講座案内ページをご覧ください。

この講演会は、奈良女子大学連続講座「奈良を拓く」の第13回として開催されるものです。

講演内容の概要については、次の通り記されています。

「古代日本には、ほんの百数十年だけ使われ途絶えた夾紵という漆技術がありました。
夾紵とは、布と漆とを互層に塗りかためながら造形を行うもので、古くは古代中国の戦国時代から使われてきた技術です。
日本では、7世紀の飛鳥時代に、遺体を埋葬する際の棺を作るためにその技術が採用されました。
その技術は一般には広がらず、天皇もしくは非常に身分の高い人が葬られるときにのみ使用されるものでした。

その技術が、その後仏像の造形にも用いられてゆきます。
当麻寺四天王立像や興福寺八部衆立像がその代表例です。
しかしこの技法は、8世紀の奈良時代をもってほぼ途絶えます。
奈良に都が置かれた短い期間だけ、天皇の棺と仏像にのみ用いられた夾紵技術について、最近の科学分析の成果もあわせて解説します。」

なかなか興味深そうな講演会です。
出かけてみようかなと思っています。





●新刊情報「平安密教彫刻論」津田徹英著(2016年3月26日)



東京文化財研究所・企画情報部室長の津田徹英氏の仏教美術論文集が刊行されました。

「平安密教彫刻論」津田徹英著 2016年3月 中央公論美術出版社刊 【808P】 17000円

本書は、2015年に津田徹英氏が慶應義塾大学にて博士の学位をえた、博士論文「平安密教彫刻論」に新たに付論3編を加え単行本化した、大著の論文集です。

新刊案内によれば、
「本書は密教図像学的研究手法を用い、四百年に及ぶ平安密教彫刻のありょうを、図像を忠実に彫像として再現する動向、経典・儀軌の所説に則って図像表現を改変しながら彫像化する動向、既知・既存の図像をもとにして日本独自の新たな密教像を創造する動向に大きく分かち、それぞれの動向が平安密教彫刻に多種・多様な展開を促したことを実作例に即して論じ、あわせて、その後の展望を見据えようとするものである。」
と紹介されています。

難しい研究論文集ですが、「平安密教彫刻論」というテーマが大変魅力的なので、ご紹介させていただきました。
博士論文の内容の要旨・要約については、

慶應義塾大学学術情報リポジトリ(KOARA)「平安密教彫刻論(要約)」
平安密教彫刻論(内容の要旨)

が、NET上に掲載されていますので、そちらをご覧いただければと思います。

高価で、腰が引けてしまったのですが、題名の魅力に惹かれて、買ってしまいました。

まだ、内容には、全く目も通していないのですが、難し過ぎて、きっと積読で、読まないと思います。

    






●新刊情報「四国の仏像〜いにしえの祈りのかたち」青木淳著・大屋孝雄撮影(2016年3月26日)



四国の仏像の美麗な写真集が発刊されました。

「四国の仏像〜いにしえの祈りのかたち」青木淳著・大屋孝雄撮影
2016年1月 淡交社刊  【188P】 2592円

淡交社の出版案内によりますと、
「四国の遍路道およびその周辺には、重要文化財指定の仏像のほかにも、巡礼者をはじめ、安置寺院自身がいまだその価値に気づかれていない奈良・平安?鎌倉時代の仏像が数多く存在します。
本書では、四国4県の32か寺、約50体の仏像を撮りおろした圧倒的な迫力のある写真と、その魅力を語る文章を中心に据えながら、仏像を通じて八十八ヶ所霊場を形成した四国地方の宗教文化の深層に迫ります。」
と、紹介されています。

解説は、四国の仏像、とりわけ高知県の仏像調査研究で知られる、多摩美術大学美術学部教授の青木淳氏です。
2014年には、青木氏の企画で、多摩美術大学美術館で「祈りの道へ〜四国遍路と土佐のほとけ展」が開催されました。
写真は、近年、青木淳氏とコンビで地方仏写真撮影されている大屋孝雄です。

大屋氏の美麗な仏像写真と、青木氏の優しい語り口の判りやすい解説で、四国の地方仏像の名品を愉しめる一書かと思います。





●山梨県・福光園寺で「シンポジウム・吉祥天信仰 〜祈りとかたち」開催(3/19)(2016年2月27日)


福光園寺
山梨県笛吹市の福光園寺で「歴史シンポジウム・ 吉祥天信仰 〜祈りとかたち〜」が、2016年3月19日(土)」に開催されます。

開催概要は、以下の通りです。

◇大野山福光園寺 第3回  歴史シンポジウム吉祥天信仰 〜祈りとかたち〜

◇日 時 2016年 3月19日(土)13:30〜16:30(13:00開場)

◇会 場 笛吹市御坂町大野寺 福光園寺
<申込不要・資料代1,000円>




福光園寺の吉祥天像と、甲斐での慶派造像活動という、大変興味深いテーマのシンポジウムとなっています。
本シンポジウムは、主催:大野山福光園寺、協力:山梨県立博物館にて開催されるということです。
詳ししい開催要領等については、福光園寺・TEL: 055-263-4395にお尋ねください。

福光園寺は、創建は不明ですが、保元元年(1157)、大野対馬守重包により再興され、賢安和尚を中興開山とする寺院です。
当寺には、鎌倉時代制作の重要文化財・吉祥天及び二天像が遺されていることで知られています。
吉祥天坐像(像高110p)を中尊に、持国天、多聞天を脇侍とした三尊像です。
吉祥天像内銘文から、寛喜3年(1131)仏師・蓮慶によって制作されたことが知られる、貴重な基準作例となっています。
吉祥天像は、安定感ある堂々とした造形で、強い存在感を感じさせます。

         
福光園寺・吉祥天像及び二天像

私は、此の像を拝したとき、山梨の地には出色の見事な出来栄えの仏像だと、驚くとともに心撃たれた記憶があります。
一度は拝しておくべき、仏像だと思います。

本シンポジウムに参加するとともに、福光園寺・吉祥天三尊像をじっくり拝観するというのは、なかなか得難い機会かもしれません。





●青梅市郷土博物館で、山本勉氏講演会「塩船観音寺の仏像」開催(3/21)(2016年2月27日)



青梅市郷土博物館では、企画展「中世青梅の信仰と文化」〜2016年2月6日(土)から4月17日(日)〜が開催されていますが、その関連講座として、山本勉氏による講演会「塩船観音寺の仏像」が開催されます。

開催概要は、以下の通りです。

◇日時:3月21日(月曜日・振替休日)午後2時から

◇会場:塩船観音寺普門閣2階和室、塩船観音寺本堂

◇講師:山本勉氏(清泉女子大学文学部文化史学科教授)

◇定員:50名(応募者多数の場合は抽選)

申し込み:3月5日(必着)までに
往復ハガキに<往信裏>住所、氏名、年齢、電話番号<返信表>住所、氏名を記入し、
〒198-0053青梅市駒木町1-684青梅市郷土博物館「中世青梅の信仰と文化」係へお送りください。
同伴者は1枚につき1人まで可(同伴者名も必ずご記入ください)

詳しくは、青梅市郷土博物館HP・
企画展ページをご覧ください。

塩舟観音寺(青梅市塩船)は、大化年間(645〜 650)創建という伝承があり、「塩船」の名は、天平年間(729〜749)に行基がこの地を訪れた際、周囲が小丘に囲まれて船の形に似ているところから、名付けられたものと伝えられています。

当寺には、以下のような文化財指定仏像をはじめとして、多くの古仏が遺されています。




本尊・千手観音像は秘仏で、1月1〜3日、1月16日、5月1〜3日、8月第2日曜日に開扉されるとのことです。
私は、当寺は訪ねたことがなく、どのような仏像なのかはよく判りませんが、東京都で、年紀の明らかな像をはじめ、これだけの仏像が残されているのは、貴重なことだと思います。

山本勉氏の講座、ご関心のある方は出かけられてはいかがでしょうか。

         
塩舟観音寺・千手観音立像                        二十八部衆像





●椙山女学園大学〜地域文化・仏像バーチャルミュージアムのご紹介(1/30)(2016年1月30日)


椙山女学園大学の文化情報学部によって、「地域文化・仏像バーチャルミュージアム」という地方仏像の映像作品が、制作公開されていることを知りましたので、ご紹介します。


椙山女学園大学「地域文化・仏像バーチャルミュージアム」のトップページ

1月21日付けの中日新聞WEBニュースに、
「椙山女学園大文化情報学部の栃窪優二教授(映像ジャーナリズム)のゼミ生が、稲沢市の貴重な仏像を紹介した映像を制作してDVDにまとめ二十二日、同市に寄贈する。
専門家によると、稲沢は奈良時代から戦国時代ごろまで、尾張地方の中心として栄えた地。
制作に携わった学生は『仏像を通じて尾張の歴史の一端を伝えたい』と話す。
・・・・・・・・」
という記事が、掲載されたのを見つけました。

どのようなものなのだろうかと、椙山女学園大学HPを見てみると、「地域文化・仏像バーチャルミュージアム」というのがあるのを見つけました。
このバーチャルミュージアムは、地域に残される仏像を映像作品として記録し、発信する試みを進めようとするもので、地方仏像の紹介、解説映像がラインアップされています。

作品を見てみると、県や市指定の文化財など文化的価値が高い仏像が選ばれ、一作品4分程度で、詳細なクローズアップ映像とともに、丁寧な解説が付されていました。
現在、愛知県稲沢市の仏像を中心に、21件の仏像の映像作品がラインアップされています。
他にも、名古屋市・七寺の観音・勢至菩薩坐像宮城県登米市・横山不動尊の不動明王坐像といった興味深い仏像の映像作品も掲載されています。


名古屋市・七寺の観音・勢至菩薩坐像の紹介映像作品

これだけ、しっかりとした地方仏の映像作品のバーチャルミュージアムは、大変貴重で意義深いものだと思います。
早速、いくつかの仏像映像を、愉しく興味深く、見てしまいました。
これからも、作品数がどんどん増えていけば、大変うれしいことです。

是非一度、ご覧になってみてください。





●大阪大学で国際シンポジウム「金銅仏の制作技法の謎にせまる」開催(12/12)(2015年11月14日)


大阪大学 豊中キャンパスで、国際シンポジウム「金銅仏の制作技法の謎にせまる」が開催されます。

このシンポジウムは、大阪大学総合学術博物館で開催されている企画展「金銅仏きらきらし―いにしえの技にせまる―」(2015年10月24日〜12月22日)にあわせ、科研費成果報告「5〜9世紀東アジアの金銅仏に関する日韓共同研究」の発表の一環として開催されるものです。
(企画展の内容等については、本HP・
展示会で紹介しています。)

開催日時は、2015年12月12日(土)10:00〜17:10 となっています。

詳しくは、大阪大学総合学術博物館HP・お知らせシンポジウムページをご覧ください。
事前の参加申し込みが必要ですので、ご注意ください。


シンポジウムのプログラムは、ご覧のとおりです。





仏像の制作技法や、金銅仏の鋳造技術などにご関心のある方にとっては、大変興味深いシンポジウムの内容です。
最新の研究成果や問題点などを聞くことができるのではないかと思います。
私は、今月、ソウルの韓国国立中央博物館へ出かけて、企画展「仏教彫刻展」を見てきたばかりで、展覧会にも展示されていた、韓国を代表する国宝・金銅半跏思惟像(国宝78号像)の制作技法についての講演があるのは興味津々です。

思い切って出かけてみたいと思っています。

              
.                                                       韓国を代表する国宝・金銅半跏思惟像(国宝78号像)





●川崎市・能満寺の聖観音・虚空蔵菩薩像の特別公開&現地講座開催(10/17)(2015年9月12日)



川崎市(教育委員会)では、平成27年度指定文化財等現地特別公開として「能満寺の文化財」を公開するとともに、現地講座を開催します。

この特別公開は、日頃、文化財保存上の理由から、常時公開されていない川崎市内の指定文化財を、所有者の理解・協力を得ながら公開するものです。
公開されるのは、川崎市高津区千年の能満寺の木造虚空蔵菩薩立像(南北朝時代・県指定文化財)、木造聖観世音菩薩立像(平安前中期・市指定文化財)です。
公開期間は、平成27年10月16日(金)〜18日(日) 午前10時〜午後3時です。

10月17日(土)には、神奈川県立歴史博物館館長・薄井和男氏による講座「能満寺の仏像」が開催されます。(午前10時〜12時)
なお、講座受講には事前申し込みが必要です。(9/24申し込み締切り・受講料1000円)

特別公開・現地講座の詳しい内容は、
川崎市教育委員会HP
「平成27年度指定文化財等現地特別公開「能満寺の文化財」ならびに関連講座のお知らせ」「関連チラシ」
をご覧ください。

能満寺・聖観音像は、川崎市域最古、10世紀の前半の平安木彫として知られています。
この像については、本HP・秘仏御開帳「川崎市・能満寺の聖観音立像が12年に一度のご開帳(4/12〜30)(2014年4月25日)」でご紹介しましたので、参考にしていただければと思います。

                 
.           虚空蔵菩薩立像(南北朝時代・県指定文化財)          聖観世音菩薩立像(平安前中期・市指定文化財)




●伊豆新聞に「伊豆の仏像修復記」毎週連載中(6/15〜)(2015年7月18日)


修善寺・実慶作大日如来坐像
伊豆新聞・日曜文化欄に、「伊豆の仏像修復記」と題する連載記事が掲載されています。

吉備文化財修復所代表・牧野隆夫氏の執筆で、牧野氏が伊豆の諸仏を修復した体験記、物語の連載です。
第1回(2015.6.15)は、「『實慶作』墨書くっきり〜境内の興奮」という表題で、修善寺・ご本尊の大日如来坐像の修理の際、「実慶作」の墨書が胎内(首の内側)から発見された時の体験記が掲載されています。

この連載を、ここでご紹介したのは、この記事がNET上で読むことが出来るからです。
これまで掲載された、第5回までのリンクを貼っておきますので、ご覧ください。

伊豆の仏像修復記〜第1回:「實慶作」墨書くっきり 境内の興奮
伊豆の仏像修復記〜第2回:出合い 国清寺仁王像にいざなわれ
伊豆の仏像修復記〜第3回:修禅寺初日 大量の資材運搬到着は夜に
伊豆の仏像修復記〜第4回:修禅寺指月殿ー釈迦如来像 観光の“切り札”に
伊豆の仏像修復記〜第5回:指月殿調査ー釈迦如来像 すさまじい傷みに絶句

牧野隆夫氏

執筆の吉備文化財修復所代表・牧野隆夫氏は、東京芸術大学大学院美術研究科保存修復の出身で、吉備文化財修復所を開設するほか、東京学芸大学非常勤講師、東北古典彫刻修復研究所代表などを務める仁です。
これまで、伊豆の諸仏像をはじめ数多くの仏像修理を手掛けられています。


この後、どれくらい連載が続くのかわかりませんが、仏像修理の現場そのものからの、実際に修復に携わった体験記、実見記は、大変興味深いものです。
どんな話が語られていくのか連載が愉しみです。





●東京よみうりホールで奈良学文化講座「唐招提寺鑑真和上の光芒」開催(7/11)(2015年6月6日)


東京都千代田区有楽町のよみうりホールで第143回奈良学文化講座「唐招提寺鑑真和上の光芒〜その足跡と遺産」が開催されます。


開催日時は2015年7月11日(土) 13:00〜16:00となっています。
事前申し込み(申込締切り6/13)が必要で、参加費は1000円です。
詳しい開催要領は、
うましうるわし奈良HP奈良学文化講座ページをご覧ください。

講座内容は、以下のとおりです。

「鑑真和上像の造像−和上と弟子たちとの精神的なつながり」
講師:木下成通氏(公益財団法人美術院国宝修理所主任技師・前研究部長)

「鑑真和上の足跡−和上の“夢”を共有した弟子たち」
講師:蔵中しのぶ氏(大東文化大学教授)

本講座で、興味深いのは木下成通氏の鑑真和上像の造像についての講演です。
木下氏は、2013年6月に完成安置された「鑑真和上像の御身代わり模造」の制作に携わった美術院国宝修理所の主任技師・前研究部長です。

鑑真和上像の模造制作においては、単に原品の形を真似るというのではなく、制作当時の材料、顔料などをもちいて、構造や制作技術まで復元して造られました。
その模造制作過程で、数多くの新発見がありました。
その新発見や調査研究内容については、
観仏日々帖「鑑真和上坐像の御身代わり模像の制作を巡る話【その1】【その2】
に詳しくご紹介しましたので、ご覧いただければと思います。
木下氏は、模造制作プロセスで新たに判明した鑑真像の制作技法を見ると、鑑真和上像は、「唐和上東征伝」に伝えられるように、
「鑑真生前にその姿を弟子たちが写した肖像を制作した。」
と考えても良いのではないかという見方を示されています。

今回の木下氏の講演「鑑真和上像の造像−和上と弟子たちとの精神的なつながり」では、鑑真和上像の模造制作プロセスで得られた新事実、新知見や、この研究成果に基づく鑑真像制作事情についての木下氏の考え方が詳しく聴けるのではないかと思います。




●「目の眼」誌に青木淳氏執筆「ほっとけない仏たち」地方仏紀行新連載(2015年5月31日)


「ほっとけない仏たち」
新連載の目の眼7月号

骨董・古美術雑誌「目の眼」に、多摩美術大学教授・青木淳氏の執筆による、地方仏探訪紀行「ほっとけない仏たち」が新連載となります。
6月1日発行の7月号(1080円)から連載スタートとのことで、「目の眼」編集ご担当からご連絡を頂戴しました。

新連載は「ほっとけない仏たち」と題して、福島県の知られざる地方仏の紹介から始まり、今後、各地を訪ねる予定とのことです。

新連載にあたっては、冒頭に、
「近年、地方の仏像が注目を浴びています。
長い歳月、その地域で守られていた仏像を訪ねると、その土地に根差した文化との深いつながりが見えてきます。
仏像研究者・青木淳先生が、知られざる仏たちが残された土地を訪ね、忘れざる祈りのかたちをご紹介します。」
このように紹介されています。

第一回は、福島県大沼郡三島町にある、名入の観音堂の天部立像を訪ねます。
町指定文化財ですが、青木淳氏によると9〜10世紀の制作と考えられるようです。
名入の観音堂は、福島県西部、奥会津と呼ばれるところに在るそうですが、私は、この天部立像のことは、初めて知りました。
朽損していますが、なかなか古様で興味深い平安古仏のようです。

新連載「ほっとけない仏たち」の冒頭ページ
この後の号では、
2007年に重要文化財に指定された会津美里町の個人蔵・吉祥天立像、法用寺の仁王像、大蔵寺の破損仏
と、地方仏愛好者にはちょっと捨て置けない、福島県平安古仏探訪記が続く予定とのことです。


執筆の多摩美術大学教授・青木淳氏は、昨年11〜今年1月に多摩美術大学美術館で開催された
「祈りの道へ〜四国遍路と土佐のほとけ展」を企画運営された方です。
展覧会では、須崎市・笹野大日堂の大日如来像など、土佐の知られざる地方仏を愉しまれた方も多いのではないかと思います。

紀行文は、気さくな語り口で、知られざる地方仏を訪ねる話が綴られており、これからの連載が益々楽しみです。


掲載誌、「目の眼」は、昭和52年(1977)に創刊された、老舗の骨董古美術雑誌で、ご存じの方も多いことと思います。
現在は、白洲正子氏の孫にあたる白洲信也氏が編集長を務められています。
この連載を機会に、購読されてみてはいかがでしょうか。




●奈良まほろば館で深イイ奈良講座「聖林寺と十一面観音菩薩像」7/20開催(2015年5月31日)


東京都中央区日本橋室町の奈良まほろば館で、まほろばソムリエの深イイ奈良講座「聖林寺と十一面観音菩薩像」と題する講演会が開かれます。

聖林寺・十一面観音立像
開催日時は、2015年7月20日(月・祝)11時00分〜(1時間半程度)となっています。
事前申し込みが必要で、受講料(資料代)は500円です。
詳しい開催要領は
奈良まほろば館HP講座案内をご覧ください。

この講演内容は、聖林寺十一面観音が大御輪寺から移された経緯やそれを担った人々などについて、新たなる解明事実などを交えながら、詳しく解説される内容だと思います。

開催案内には
「聖林寺に祀られる十一面観音菩薩像が、三輪の大御輪寺から移されたことはよく知られています。
廃仏毀釈の嵐のなかの出来事でした。
この十一面観音像の造仏のいわれ、聖林寺に移された経緯やそれを担った人々、この像に光をあてたフェノロサや和辻哲郎の関わりなどを楽しく語り、深く解明します。」
とコメントされています。

講師は、談山神社氏子総代、NPO法人奈良まほろばソムリエの会・会員の雜賀耕三郎氏です。

雜賀氏は、最近、産経新聞奈良版掲載の「なら再発見」という連載に、大変興味深い記事を執筆されています。
それは、明治初年、廃仏毀釈により大御輪寺から聖林寺に移された十一面観音像は、聖林寺に移される前、桜井市の米田家にしばらくの間預けられており、その後、聖林寺に移って行ったという知られざる秘話です。
詳しくは、「なら再発見・第85回」2014年7月19日掲載をご参照ください。

近代の聖林寺十一面観音の歴史に精通、研究されている雜賀氏の講演では、興味深い話、知られざる秘話など、興味津々の話が聞けるのではないかと思います。

是非出かけてみたいと思っています。




●シンポジウム「仏像と木の交流〜古代一木彫像の樹種をめぐって」(5/16)開催(2015年3月7日)



東京都世田谷区の成城学園で、成城大学公開シンポジウム「仏像と木の交流〜古代一木彫像の樹種をめぐって」が開催されます。

このシンポジウムは、成城学園創立100周年を記念したイベントの一環として開催されるものです。
開催日時は、2017年5月16日(土)13:30 〜17:00となっています。
司会・パネリストの方々は次のとおりです。





シンポジウムには誰でも参加可能のようですが、事前の申し込みが必要になっています。
シンポジウムの概要、申込み要領については、
成城学園百周年記念サイトシンポジウムページをご覧ください。

シンポジウム開催趣旨には、次のように記されています。

「奈良時代後半から平安時代初めにかけて、頭や体の中心部のみならず手や足先なども含めて一つの木材から造り出そうとする一木彫像が造立されるようになると、それ以降の日本の仏像のほとんどは木で造られていくようになります。
つまり、一木彫像の成立は日本人に仏像用材としての木を明確に認識させた画期的な出来事であったといえます。
そして、一木彫像に使用された木の選択は決して任意に行われたのではなく、ある一定の認識(用材観)に基づいていたといえるのです。
本シンポジウムでは、一木彫像成立の問題を中心として、日本人の木に対する認識がどのように形成され、展開していったのかを考えていきます。」

ご存じのとおり、今回のシンポジウムコーディネーター・パネリストの方々は、20年近く前になりますが、「日本古代における木彫像の樹種と用材観」という共同研究において、奈良末・平安初期一木彫の用材樹種のほとんどが「カヤ」であることを明らかにした研究者です。
それまでは、唐招提寺講堂木彫群をはじめとした、これらの一木彫の多くは「ヒノキ」とされていましたので、驚きの新事実でした。
その後も、本テーマの研究が継続して進められており、「カヤ」材が用いられた事由などについて、用材観の宗教的意味、意義などに、大変興味深いホットな議論が展開されています。

今回のシンポジウムは、2012〜5年度・科学研究費基盤研究「東アジアにおける木彫像の樹種と用材観に関する調査研究」に基づく研究報告ということのようですので、こうした古代一木彫像の樹種、用材観をめぐる最新の研究成果、問題点などの議論を、聞くことが出来るのではないかと思います。
この分野に関心のある方には、逃すことのできないシンポジウムではないかと思います。

私も、是非、出かけてみるつもりです。






【過去の ご 紹 介 情報】


2001〜14年

2015年

 

 

 

 
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