ホーム トピックス 観仏日々帖 ぶらり散歩 古仏愛好 古仏礼賛 仏像の基本 アラカルト リンク データ 更新項目



秘仏御開帳  2015年

 全国の秘仏御開帳情報は、下記サイトの「仏像の公開情報」に詳しいので、そちらもご覧下さい。

観仏 三昧 ─仏像と文化財の情報ページ─
展覧会情報、仏像の公開情報、講演会・シンポジウム情報、文化財トピックス等の情報を詳細に紹介している
----------------------------------------------------------------------------------------


岐阜県・願興寺の秘仏薬師如来像が特別御開帳(11/21〜12/4)(2015年10月31日)


岐阜県可児郡御嵩町の願興寺の秘仏ご本尊・薬師如来坐像(重文・平安〜鎌倉)が特別御開帳となります。

御開帳期間は、2015年11月21日(土)〜12月4日(金) 午前10時〜午後3時(2時受付終了)です。
詳しくは、御嵩町HP・
願興寺特別公開ページをご覧ください。

願興寺の秘仏・薬師如来坐像は、12年に一度、子年の4月に1日限りで御開帳されています。
今年は、子年ではありませんが、願興寺開基1200年にあたることから、特別に御開帳されるものです。
本年4月5日にも1日限りで開帳されましたが、11月下旬から2週間に亘って特別御開帳されることになりました。

岐阜新聞は、「願興寺改修へ“秘策” 国重文秘仏、11月から特別開帳」という見出しで、
「老朽化した本堂の改修に向け知名度向上を図ろうと特別に実施。貴重な文化財を所蔵する寺としてアピールし、寄付金を募る。
同寺は創建1200年の歴史があり、本尊を含む仏像24体が国の重要文化財。
しかし檀家(だんか)は8軒しかなく、収入は少ない。本堂の改修費用は概算で10億円がかかる見通しで、大きな負担となる。
・・・・・・・・・・・
拝観者数は通常の年は年間200人程度だが、ご開帳では期間中だけで1500人を見込む。」
(2015.9.12岐阜新聞WEB)
と、報じています。

特別公開期間は、御嶽宿周辺の地域グルメの協力14店舗で、願興寺来訪者へのおもてなし特典も設けられており、御嵩町役場も力を入れているとのことです。

秘仏薬師三尊像(薬師坐像像高:136p)は、平安末期〜鎌倉初期の制作とみられ、平安時代とするもの、鎌倉とする解説まちまちで、所謂、藤末鎌初の像と云えるようです。
「岐阜県の仏像」岐阜県立博物館1990年刊には、このように解説されています。

「螺髪は小粒で面相は丸く、衲衣の柔らかな表現には平安時代の作風を残すが、目鼻立ちや体つきから製作年代は鎌倉時代に入っていると思われる。
脇侍の日光菩薩・月光菩薩は本尊と別作で、しかも両尊には多少の相違が見いだされるが、浅い衣文の彫技から平安時代後期の作と考えられる。」

願興寺には、薬師三尊像のほかに、寛元2年(1244)覚俊作の釈迦三尊像、阿弥陀如来立像(平安後期)・坐像(鎌倉)、四天王像(平安〜鎌倉)、十二神将像(平安後期)の6件・24躯の重要文化財仏像が収蔵庫に安置され、立ち並ぶ姿は壮観です。
私は前回の子年御開帳の2008年4月に拝しましたが、一度は訪れて拝してみたい、諸仏像です。

名古屋駅から名鉄線で1時間ほどとちょっと不便ですが、是非この機会に訪ねられてはいかがでしょうか。


     
願興寺本堂                                       秘仏・薬師三尊像(重要文化財)



●    木津川市・秋の社寺秘宝秘仏特別開扉を実施(10/下旬〜11月)(2015年10月3日)


京都府木津川市の社寺が秘仏などを公開する「秋の社寺秘宝・秘仏特別開扉」が、今年も10月から11月にかけて行われます。
今年は初参加の安福寺を含め、11の社寺が通常非公開の仏像などを公開します。

詳しくは、
木津川市観光協会HP「秋の社寺秘宝・秘仏特別開扉」ページをご覧下さい。
各寺の公開仏像、公開期間の詳細は、「秋の社寺秘宝・秘仏特別開扉」ページに詳しく掲載されています。

11寺の特別公開仏像をみてみると、通常でも拝観可能な仏像も結構ラインアップされています。
この期間でないと、普段拝観が難しい注目仏像は、旧燈明寺、西明寺、高田寺の諸仏像かと思います。




この3寺の特別公開期間は、共に10/31〜11/3の4日間に限られています。
それぞれ、なかなか興味深い仏像で、一度は拝しておきたい古仏かと思います。


        
旧燈明寺・千手観音像(鎌倉)      西明寺・薬師如来像(平安)        高田寺・薬師如来像(平安)



●    三重・観菩提寺の秘仏十一面観音像が33年に一度の御開帳(11/1〜8)(2015年9月26日)

三重県伊賀市島ヶ原の観菩提寺の秘仏十一面観音立像が、33年に一度の御開帳となります。

御開帳期間は、2015年11月1日(日)〜2015年11月8日(日)です。
概要については、三重県観光連盟・
観光情報HPをご覧ください。
また、御開帳スケジュールなどが変更になっている場合もありますので、詳しくは、観菩提寺(0595-59-3080)に直接お尋ねください。

観菩提寺・十一面観音立像は、異形、威相で森厳神秘という表現そのままとも云って良いような、きわめて精神性の強い不可思議な造形の一木彫像として知られる仏像です。
お堂で拝すると、観れば観るほどに、異様な霊気や凄みのあるエネルギーに、魅入られてしまうという印象で、忘れることが出来ない惹きつけるものを感じてしまいます。
像高:203cm、カヤ材の一木彫で内刳り無し、黄土の檀色像とみられ、重要文化財に指定されています。
製作年代は、10世紀頃といわれていますが、奈良時代に遡るという見方もあります。

この像については、「埃まみれの書棚から〜各地の地方佛 ガイドあれこれ【近畿 編】第3回」で、拝観記を紹介しておりますので、ご覧ください。

観音像は、33年に一度限りの開扉の秘仏として守られており、普段は拝することはできません。
これまで、ただ一度だけですが、2011年3〜5月に世田谷美術館で開催された「白洲正子〜神と仏、自然への祈り展」に、出展されたことがあります。
厳重秘仏として知られた観菩提寺・十一面観音像が、寺外に出て出展されたことは驚きでした。

私は、観菩提寺・正月堂のほの暗いお堂の中と、世田谷美術館の両方で観たことはありますが、堂内で拝した時の観音像の異様な迫力と霊気は、美術観展示のそれとは較べようもないもので、是非ともお堂で拝してみられることをお薦めします。

結構辺鄙なところに在る観菩提寺ですが、ご関心ある方は、是非お出かけになってみてはいかがでしょうか。


     
観菩提寺・正月堂                              観菩提寺・十一面観音立像



●    福井県・安楽寺の秘仏・聖観音像が33年ぶりにご開帳(10/17午後〜18)(2015年8月22日)


福井県三方上中郡若狭町にある無悪山安楽寺で、秘仏・聖観世音菩薩立像が33年ぶりに御開帳となります。

御開帳日は、2015年10月17日(土)午後〜18日(日)となっています。
詳しくは、
安楽寺HPをご覧頂くとともに、当該HP・大祭ページ掲載の大祭実行委員会にお問い合わせください。

秘仏・聖観世音菩薩立像は、現在収蔵庫に安置されていますが、秘仏とされ33年に1度ご開扉され、その中間の17年目毎に中開き大祭が行われることになっているそうです。
昭和59年(1984)10月に前回本開帳、平成11年(1999)10月に中開帳が行われています。

聖観音像は、平安時代の制作で重要文化財に指定されています。
像高157.5cm、ヒノキの一木彫で、内刳りは施されていません。
写真で見ると、なかなか堂々とした太造りの造形の一木彫ですが、丸顔の顔部の表情には、「おだやかさ」が伺えるような感じがします。

若狭町HPの解説には、
「平安前期の作品といわれ、彫法に翻波の跡が認められます。」
とありますが、
「仏像集成」(学生社刊)によれば、
「このように古風な平安初期の様式、構造を踏襲するが、制作は平安時代(11世紀)と考えられる。」
と解説されています。

10〜11世紀の制作の仏像のように感じますが、なかなかの造形の立派な仏像で、一見の価値は充分ありそうです。


        
安楽寺・秘仏聖観世音菩薩立像(平安時代・重要文化財)



●    平成27年度みほとけの里・若狭の秘仏特別公開(9/19〜11/23)(2015年8月22日)


昨年に惹き続き、今年も「みほとけの里〜若狭の秘仏特別公開」が実施されます。

特別公開期間は、平成26年9月13日(土)〜11月24日(月・祝)です。

この企画が始められてから3年目になります。
今回も二十数ヶ寺の古仏像が拝観可能となりますが、公開寺院等は昨年と同様のようです。
一つ注目は、三方上中郡若狭町無悪にある安楽寺の秘仏・聖観音菩薩立像(重文・平安時代)が、期間中にご開帳されることです。
安楽寺・聖観音像は33年ぶりの御開帳で、10月18日(日)に開帳されます。
詳しくは、当HP・
福井県・安楽寺の秘仏・聖観音像が33年ぶりの御開帳をご覧ください。

特別公開の仏像、公開日などは、福井県HP(平成27年度 みほとけの里 若狭の秘仏 特別公開)に詳しく出ていますので、ご参照ください。

各寺院の公開日や公開時間の詳細が掲載されています。
寺院によって、公開日や公開時間が異なっているようですし、「特別公開ツアーバスのみ」公開の仏像もあるようですので、ご注意ください。




●    静岡島田市・智満寺の千手観音像が20年ぶりにご開帳(7/18〜9/23)(2015年7月11日)


静岡県島田市の智満寺の秘仏本尊・十一面観音立像(重文・平安時代)が、20年ぶりの特別御開帳となります。

御開帳期間は、2015年7月18日(土)〜9月23日(水・祝)です。
詳しくは、島田市観光協会HP・
ご開帳紹介ページをご覧ください。

智満寺本尊・十一面観音像は、厳重秘仏として知られ、60年に一度の御開帳となっています。
今回は、前回開帳から20年目に当たりますが、このたび新たに制作された「頼朝杉・弥勒菩薩像」が完成安置されたことを記念し、また本年が智満寺本堂を再建した徳川家康公の四百回忌に当たることから、本尊が特別ご開帳されることになったものです。

頼朝杉・弥勒菩薩像というのは、2012年9月、境内の国の天然記念物「頼朝杉」が自然倒木し、この「頼朝杉」から弥勒菩薩像を彫り出すことが発願されました。
制作にあたったのは、江里康慧(えりこうけい)仏師で、彫刻と自然乾燥を並行し、約2年を要して優美なお姿に截金の装飾が施された崇高な弥勒菩薩像となったということです。
この弥勒菩薩像も、同時に拝することが出来ます。

なお、智満寺では、2010年にも53年ぶりの秘仏・千手観音像御開帳がありましたが、この時に御開帳された千手観音像は、重要文化財の本尊とは別のもので、市指定文化財となっている観音像でした。
本尊千手観音は、20年ぶり御開帳ということです。

智満寺本尊・千手観音像(重要文化財)は、像高181.5cm、平安中期の作といわれています。
「仏像集成」解説には、このように記されています。

「頭体を通して耳後を通る線で前後矧ぎとし内剃りを施す。
顔は横広がりで日も横長く切れている。鼻梁、口元の彫りも深く荒彫り風の彫法と相まって森厳な雰囲気をたたえている。
両もも辺りの天衣の彫りも平安初期の翻波式表文を呈しているが、全体としては平安中期の作と推定されている。」

智満寺本尊は、何とか一度は拝したいものと念じていた仏像です。
写真で見ると、なかなかの惹きつける魅力があるように感じられます。
智満寺さんに、お尋ねした処、比較的近くでご本尊を拝することが出来るとのことです。
結構辺鄙なところに在るようですが、是非とも訪ねてみたいと思っています。


    
.    智満寺・本堂                              智満寺本尊・十一面観音立像(重文・平安時代)



●    下田市・法雲寺の如意輪観音坐像が60年に一度のご開帳(3/21〜22)(2015年3月14日)

法雲寺・如意輪観音坐像(平安時代)
静岡県下田市北の沢・法雲寺(下田市須原973-1)の秘仏本尊・如意輪観音坐像(10世紀後半〜11世紀)が60年に一度のご開帳となります。
ご開帳日は、2015年3月21日(土)、22日(日)の両日、9時から15時とのことです。

この如意輪観音坐像は、像高77.1pの一木彫で、秘仏のため無指定になっていますが、10世紀頃の制作と考えられ、東日本エリアでは最古級ともみられています。

3月21日のご開帳日には、10時から法要、11時から上原仏教美術館・主任学芸員の田島整氏の現地講演が行われます。

また、この如意輪観音像については、かつて伊豆新聞に連載された
「伊豆の仏像を巡る(54)〜下田市北の沢・法雲寺 如意輪観音坐像」(田島整氏執筆)
に、詳しく解説されています。

写真で見ると、地方作的な風ですが、古様で力強く、迫力ある平安古仏のように見受けられ、結構惹き付けられる仏像のように思えます。

私は、思い切って下田まで拝しに出かけてみようかと思っています。




●    和歌山・慈尊院の弥勒仏像が高野山開創1200年記念でご開帳(4/2〜5/21)(2015年3月14日)

和歌山県伊都郡九度山町の慈尊院で、秘仏・弥勒仏坐像が御開帳となります。

御開帳期間は、2015年4月2日(木)〜5月21日(木)です。
御開帳情報については、
九度山町HPに掲載されていますが、詳しくは慈尊院(0736-54-2214)に確認された方がよいと思います。



4月からのご開帳の垂れ幕が張られた慈尊院


慈尊院・弥勒仏坐像は、21年に一度開帳の厳重秘仏として知られています。
21年に一度、桧皮葺の屋根の葺き替え時に、遷座ご開帳されることとなっています。
慈尊院・弥勒仏坐像(国宝・9C末)

今回は、前回の定期ご開帳(1993年10月)から22年目に当たります。
屋根の葺き替えも行われましたが、高野山開創1200年を記念して、開帳されるものです。
2005年3月にも、高野山世界遺産登録記念として特別開帳されたことがあります。
これまでのご開帳は、それぞれ2日間、7日間と短期間でしたが、今回は50日間の長期間ご開帳となります。

今さらご説明するまでもなく、慈尊院・弥勒仏坐像は平安前期彫刻を代表する、美麗な国宝仏像です。
墨書銘から寛平4年(892)の制作と考えられています。
写真で見られて、一度は拝してみたい魅惑の仏像となっている方も多いのではないかと思います。
是非、この機会に訪れられることをお薦めします。

この慈尊院の弥勒仏像、優れた平安古仏であることが判明したのは、なんと昭和35年(1960)のことでした。
まさに「新発見、大発見」であったわけです。
翌年の実査を経て、すぐに重文指定、翌年・昭和38年(1963)には、なんと「国宝指定」と、大スピード出世の仏像としても知られています。

「観仏日々帖」に、「慈尊院弥勒仏像の開帳によせて〜秘仏発見物語を振り返る」と題して、国宝仏像の大発見の物語を振り返る読み物を掲載させていただきました。
是非、併せてご覧ください。




●    伊那市・仲仙寺の秘仏十一面観音が特別ご開帳(4/18〜5/6)(2015年3月14日)


長野県伊那市西箕輪の仲仙寺・本尊秘仏十一面観世音像が、特別ご開帳となります。

この本尊像は、60年に一度のご開帳となっており、次回の定期ご開帳は、2031年となっています。
平成27年は、開創1200年という特別な年となるため、 記念事業の一環として、特別御開帳が厳修されるとのことです。

ご開帳期間は、4月18日(土)〜5月6日(水)です。

詳しくは、
仲仙寺HP秘仏ご開帳ページをご覧ください。

羽広山仲仙寺は、平安時代の弘仁7年(816)慈覚大師円仁により開創されたという寺伝となっていますが、本尊・秘仏十一面観音像については、どのような仏像かわかる資料が無いようで、制作年代についても不明という処のようです。



●    滋賀県湖南市・善水寺の薬師如来坐像がご開帳(4/19〜6/14)(2015年3月14日)

滋賀県湖南市岩根の善水寺の秘仏・薬師如来坐像がご開帳されます。

ご開帳期間は、2015年4月19日(日)から6月14日(日)です。
詳しくは、善水寺HP・
お知らせページをご覧ください。

       
.                                       善水寺・薬師如来坐像(重文・平安時代10C末)

善水寺・薬師如来像のご開帳については、60年、50年、33年などの周期という伝承はあるものの、特に周期が決まってはいないようです。
善水寺HPによると、昭和24年(1949)に開帳され、その後は平成13年(2001)にご開帳法要が行われています。
それ以前となると、江戸中期元禄5年(1692)とあるのみで、他には記録としては残されていないそうです。

今回のご開帳は、
「善水寺開創1300 年慶讃・慈覚大師1150 年御遠忌報恩・国宝善水寺本堂桧屋根葺替勧募」
ということで、開帳法要が行われます。
前回開帳から14年ぶりということになります。

善水寺の薬師如来坐像は、像高102p、ヒノキの一木彫で、重要文化財に指定されています。

明治40年(1907)に解体修理された際に、内刳り部から麻袋に詰められた籾に混じって、墨書紙片が発見されました。
墨書には、願主と結縁者などが記されたうえ、「正暦四年五大月三日」と書かれており、正暦4年(993年)に制作されたことが明らかになっています。
10世紀末、平安時代中期を代表する仏像と云えるでしょう。

善水寺には、堂内に梵天帝釈天、四天王、トバツ毘沙門天、不動明王像など、本尊制作時期もしくは少し遅れる時期に制作された平安古仏諸像が祀られており、いずれも重要文化財に指定されています。
本尊以外の諸像は、いつでも拝観できます。

今回ご開帳の薬師如来像は、これまで何度か、博物館の展覧会に出展されたこともありますので、そこでご覧になった方もいらっしゃるのではないかと思います。




●    長野・善光寺の前立本尊が7年に一度の御開帳(4/5〜5/31)(2015年2月28日)

長野県長野市の善光寺の絶対秘仏・阿弥陀三尊の前立御本像が、7年に一度の御開帳となります。

御開帳期間は4月5日(日)〜5月31日(日)です。
詳しくは、
善光寺御開帳HPをご覧ください。

この前立御本尊の御開帳は、7年に一度恒例の大行事で、各所で案内されていますので、わざわざご紹介することもないかと思いましたが、採り上げさせていただきました。

ご存じのとおり、善光寺のご本尊・一光三尊阿弥陀如来は、百済伝来で善光寺の寺名となった本田善光が飛鳥時代に当地に遷座したと伝えられますが、古来絶対の秘仏で、誰も拝したことがある人はいません。

前立本尊は、鎌倉時代の制作、像高42センチの金銅仏で、重要文化財に指定されています。
前回ご開帳時も、全国から500万人の参拝の人出となったということですから、多分大変な混雑で、仏像をじっくり拝するということは、叶わないかもしれません。


         
.                                       善光寺・前立本尊一光三尊阿弥陀如来(重文・鎌倉時代)



●    各地の「六善光寺」ご本尊が同時御開帳(4/5〜5/31)(2015年2月28日)


ご存じのとおり、信州・善光寺では7年に一度の前立本尊・一光三尊阿弥陀如来がご開帳となりますが、これに合わせ、各地の6つ善光寺でも、同時に、ご本尊のご開帳が行われます。


六善光寺とは、信州善光寺のほかに、長野県飯田市の善光寺(元善光寺)、山梨県甲府市の善光寺(甲斐善光寺)、愛知県稲沢市の善光寺(祖父江善光寺東海別院)、岐阜県関市の善光寺(関善光寺)、岐阜県岐阜市の善光寺(岐阜善光寺)の5つの善光寺のことを云うそうです。


御開帳期間は、信州・善光寺と同じ、2015年4月5日(日)〜5月31日(日)です。

詳しくは、六善光寺同時御開帳・
公式ホームページをご覧ください。




●    長野・長楽寺で本尊・聖観音菩薩が13年ぶりの御開帳(4/5〜5/31)(2015年2月28日)

長野県千曲市八幡の長楽寺では、秘仏の本尊・聖観世音菩薩像が、善光寺(長野市)の御開帳に合わせてご開帳とされます。

御開帳期間は、善光寺と同じ、2015年4月5日(日)から5月31日(日)です。
詳しくは、
善光寺御開帳HP信毎ご開帳ニュースページをご覧ください。

長楽寺の秘仏・聖観音像御開帳は、これまで善光寺御開帳の前年に1日だけ実施してきましたが、より多くの人に参拝に来てもらいたいと、今回は同じ年にし、期間も合わせたとのことです。
前回の御開帳は本堂の改修などと重なったため行っておらず、今回の御開帳は13年ぶりとなります。

聖観世音菩薩は高さ40pほど。腰を落として足を少し前に踏み出し、来迎に姿をしているということですが、制作年代などの詳しいことは、解説されているものも無いようで良く判りません。


         
.                                      長楽寺・秘仏聖観音像



●    栃木・医王寺で「医王寺の仏像・特別見学会」開催(3/21)(2015年2月21日)


栃木県鹿沼市の医王寺で、「医王寺の仏像・特別見学会」が、3月21日(土)に開催されます。

医王寺には、平安時代から鎌倉時代の仏像が、約30躯のこされており、栃木県指定文化財となっていますが、普段は公開されていません。
昨年、医王寺の仏像について詳しい調査が実施されたのを機に、「医王寺の仏像・特別見学会」が、初めて開催されました。

多くの見学申し込みがあり好評であったので、今年も開催されることになったとのことです。
調査図録「医王寺の仏像」編集責任者の萩原哉氏を講師に、普段はなかなか見ることが出来ない貴重な仏像群を鑑賞できる機会となっています。

私は、昨年の初回見学会に出かけましたが、充実した見学会で、医王寺の仏像群を丁寧な解説によりじっくり鑑賞することが出来ました。

見学会への参加は、事前申し込みが必要です。
平成27年2月15日(日)〜3月14日(土)となっています。
詳しい申込方法などは、
医王寺HPならびにHP内・仏像特別見学会をご覧ください。



●    島根・鰐淵寺の秘仏両本尊が33年に一度の御開帳(3/20〜22)(2015年2月14日)


島根県出雲市別所町の鰐淵寺の秘仏両本尊、千手観音菩薩像と薬師如来像が33年に一度の御開帳となります。

御開帳期間は、2015年3月20日(金)〜22日(日)の3日間です。
詳しくは、出雲観光協会公式ホームページ・
鰐淵寺 御開帳をご覧ください。

鰐淵寺は、推古天皇2年(594年)、信濃の智春上人が当地の浮浪の滝に祈って推古天皇の眼疾が平癒したことから、推古天皇の勅願寺として建立されたという伝承を持つ古刹です。
寺号の鰐淵寺は、智春上人が浮浪の滝のほとりで修行を行っている際、誤って滝壺に落とした仏器を、鰐(ワニザメ)がその鰓(えら)に引掛けて奉げたとの言い伝えから生じたと云います。

鰐淵寺の仏像と云えば、白鳳時代とみられる小金銅仏像(重文)が残されており、その一体には壬辰年(692年)に「出雲国の若倭部臣徳太理なる人物が造立した」旨の銘記があることで知られています。

両本尊の方は、33年に一度の御開帳が固く守られているようで、前回開帳は、昭和58年(1983)であったそうです。
写真も見当たらないので、どのような仏像なのかわかりません。

産経新聞ニュース(2014.2.27付)によりますと、

「佐藤住職によると、本尊の仏像2体はいずれも木像で、千手観世音菩薩は立像、薬師如来は座像。
前回拝観したという県立古代出雲歴史博物館の的野克之・学芸部長は、衣紋から室町時代の作とみる。」

とのことです。




●    神奈川・大磯町の六所神社で神像を特別公開(1/3)(2014年10月25日)

相模国総社六所神社・本殿
神奈川県中郡大磯町の六所神社の男神立像と女神立像が特別公開されます。

特別公開日は、2015年1月3日(土)の一日限りで、午前9時から5時まで公開されます。

この男女神立像は、長らく秘かに祀られてきた神像で、近年その存在が明らかになった像です。
平安後期11〜12世紀の制作とみられており、2009年に神奈川県指定重要文化財の指定を受けました。
両像共に、天部形神像で、像高各75p・68p、一木彫成、背面から大きく内刳りされています。

六所神社は、平安後期に相模国府がこの地におかれると、国内有力5社の分霊を合祀し、相模国総社六所神社となったという由緒ある神社です。

2006年に神奈川県立博物館で開催された「神々と出会う〜神奈川の神道美術展」に、初めて出展され、注目された像です。

         
六所神社・男神立像(左)女神立像(右)〜県指定文化財・平安時代後期

その後も、公開されることが無かったようですが、文化財指定を受けたこともあり、2年前から、毎年1月3日に限り、特別公開されることになったということです。

正月3が日近辺には、毎年ご開帳される秘仏が結構ありますが、六所神社神像の特別公開情報については、今般初めて知りました。
注目の神像の特別公開かと思いましたので、ご紹介しました。
私も出かけてみようかと思っています。






過去の秘仏御開帳情報

2002年〜2011年

2012年

2013年

2014年

inserted by FC2 system