顔料の種類、色見本

色見本、HTML記号は、下記のサイトの解説を参考にしました。
色見本、HTML記号は、あくまで参考です。

色見本の館 http://www.color-guide.com/index.html
KRISTALL+ http://homepage1.nifty.com/kristall-plus/
共に日本古来の色を表示しているサイトです。
色見本の館はフルカラー、KRISTALL+は216色の近似色の表示となっています。

呼称
色見本
MTML記号
物質名(化学記号)
解説

辰砂

F80606

硫化水銀 HgS

古代から中国や朝鮮半島から輸入されており、江戸時代朱座を設けて中国から輸入した際、産地に因んで辰州の朱砂を縮めて辰砂となった。 中国では,錬金術の基となる水銀の原料として古くから研究されていた。

(近似色)

CC0000

赤褐

紅柄 弁柄 

B3481D

酸化鉄 Fe2O3

鉄の赤錆と同じ。鉄丹と呼ばれ、代赭と同じ酸化第二鉄を成分とする顔料で、茶色がかった赤。色名の由来は、インドのベンガル地方産の顔料という事から、名前が付いたとされる。
江戸時代に流行した柿色は、この弁柄に柿渋を加えた顔料染によるもので、歌舞伎の定式幕(じょうしきまく)の3色のうちの1色に使われている。

赤褐

代赭

EB7413

酸化鉄 Fe2O3

赤土の中にある天然の赤褐色の顔料でくすんだ黄赤。紅柄や黄土と同じく、酸化第二鉄を成分とする。
代赭の名前の由来は、中国の山東省の代州産の赤土の赭が、良質で有名だった為、地名の代州と赭を組み合わせて出来た色名とされる。
赭は、染織品の顔料染として使われていた。

紫土

9E28A3

酸化鉄 Fe2O3

代赭のうち紫がかった色の土。

(近似色)

CC00CC

臙油 (えんじ) 

AD1E25CC000A

ラック酸 C20H14O11
カルミン酸 C22H20O13

ラックカイガラムシの幼虫が分泌する赤色素(ラック酸)、コチニール(紅虫、エンジ虫)が産卵期に腹中に貯える赤色素(カルミン酸)などを、綿に染み込ませて乾燥したもの。
中国の辺境の地、燕支地方が紅花の産地であったことから紅色のことをエンジと称するが、紅花は染料として適しているものの、色が褪せやすいため、絵具用としては、上記の動物性色素が用いられた。

蘇芳(スオウ)

CC0033

ブラジレイン

蘇芳はマメ科の小高木でインド・マレー原産の染料植物。樹皮、材に含まれる色素ブラジレインを灰汁媒染により発色、染色し古くから重要な赤色染料とされた。
明礬媒染で赤色、灰汁で赤紫、鉄媒染では紫色に染めることが出来る。
この染色は『衣服令』では紫に次いで高貴な色とされたが、 それが高位に置かれるのは、色相が紫に似ていることや、それが舶来の染料による新奇な色と見られたからと思われる。

橙赤

鉛丹 (丹)

FF2600

四三酸化鉛 Pb3O4

古くから鉛丹、光明丹と呼ばれている。粉末の一酸化鉛(密陀僧 PbO)又は鉛白を450℃付近で長く熱して得られる赤色の粉末である。

CC3300

岩群青 金青

4200B7

藍銅鉱 青色炭酸
2CuCO3・Cu(OH)2

藍銅鉱を粉末にしたもの。江戸時代から群青と呼ばれる。

(近似色)

6600FF

岩緑青 (炭酸銅)

007D7F

孔雀石 緑色炭酸
CuCO3・Cu(OH)2

孔雀石を粉末にしたもの。藍銅鉱と同じ成分であるが、孔雀石の方が銅の含有量が少ない。

緑青

46B86D

CuCO3・Cu(OH)2
酢酸銅 (CH3COO)2Cu

銅の錆のことも緑青といい、人工的には銅に酢を作用させて作った酢酸銅を主成分とする銅錆も作られたが、色が鈍く日本画ではあまり用いられない

009966

翡翠

339966

NaAlSi2O6

宝石の一種。鮮やかな緑色、半透明でガラス光沢がある硬玉。 ビルマ(ミャンマー)・チベット・メキシコなどに産し、装身具・装飾品として古来から愛される。 日本国では新潟県糸魚川にて産出。

青代(黛) 藍蝋

272672

インディゴ
C16H10N2O2

タデ科に属する1年生草木である藍の葉を発酵させたものに石灰(炭酸カルシウム CaCO3)を加え、仕込んだ瓶に出来る泡を集めて乾燥させ、粉状にしたもの。藍の葉に含まれる藍の色素インディカンが、瓶に加える石灰の微粒子に吸着され酸化して、水に解けない顔料インディゴになるものと考えられる。

(近似色)

003399

(近似色)

000099

ラピスラズリ

3300FF

(Na,Ca)7〜8(Al,Si)12(O,S)24{(SO4),Cl2(OH)2}

ラピスラズリ(Lapis Lazuli)"は元来ラテン語で、ラズライト(天藍石)を主成分とするケイ酸塩鉱物。青金石の意。和名は"瑠璃"。 七宝のひとつとして、古代メソポタミアの時代から、装飾品として珍重されてきた古代インドや中国で珍重されてきた青色の宝玉。人工的に造ったものはウルトラマリンと呼ばれる

雌黄 雄黄 石黄

E5D100

硫化砒素 As2S3
鶏冠石 As4S4

有毒のため日本ではほとんど用いられない

密陀僧
(みつだそう)

一酸化鉛 PbO

鉛を空気中で酸化して得られる黄色粉末。密陀僧はペルシャ語の「mildassa」が 訛って伝えられたものと考えられる。黄色の顔料や亜麻仁油等の酸化重合油に硬化促進剤 として混ぜられたこともある。シッカチフと言って油彩画の乾燥剤として売られていた。しかし毒性が強いためとヒビの原因になるので現在では使われる事は珍しくなった。

桐油や荏油で顔料を溶き文様を描く技法を蜜陀絵(みつだえ)というのは、油の乾燥剤として密陀僧(一酸化鉛)を混ぜたことからきている。

黄土

BB8A3E

含水酸化鉄
Fe2O3・H2O

含水酸化鉄の外、アルミナ(Al2O3)や珪酸(SiO2)を含む含む粘土鉱物。我国の黄土は不純物が多く色が鈍いが、中国には綺麗な黄土を産する(有名な黄砂は酸化鉄の含有率が少なく色が鈍い)。

藤黄 同黄
(とうおう)
銅黄

CC9900

ガンボージ

染料 インド、タイに自生するオトギリソウ科ガルシニア(海藤樹)の樹液から得られるガンボージというゴム質の樹脂を固めたもの。褐色を呈するが、水で摺り下ろすと鮮明な黄色が得られる。

珊瑚(さんご)

FF657A

炭酸カルシウム CaCO3

珊瑚はサンゴ虫が渦鞭毛虫という藻の一種の共生によっては、海底の岩上に、石灰質を分泌しながら樹枝を形成したもので、サンゴ虫が死んだ後、樹枝だけが残って珊瑚となる。
日本近海は、現在も世界的なさんご漁場であり、仏教の経文の中に出てくる「七宝」の中の一つとしても知られるなど、古くから使われていた。

白土 白陶土

カオリン
Al2Si2O5(OH)4

花崗岩、凝灰岩が風化したもの。 水で練ると可塑性が生じ、乾燥すると適度な強度を示す。

粉錫
胡粉(ごふん)
唐土
(とうのつち)
鉛白(えんぱく)

F1F1F1

白鉛鉱、塩基性炭酸鉛 2PbCO5・Pb(OH)2

天然には白鉛鉱として産出するが、古くから人工的にも造られている。その発祥はギリシャと言われ、鉛に酢の蒸気を作用させて造ったものである。天然のものは胡粉、粉錫、人工のものは唐土、鉛白と区別された。
日本では湿度が高く、鉛白が黒変しやすいことや高価なことから余り使用されず、通常は白土が用いられた。

貝殻胡粉

CaCO3

貝殻胡粉は牡蠣等の貝殻を砕いて造ったもので、比重が軽く膠水と混ぜて塗ると乾いた時、濁った白色になるため、上塗りには余り用いられず、地塗材として壁画の下塗りや堂宇の壁材として使用された。
胡粉という呼名は、現在では貝殻粉のこと示すが、本来は西域の胡の国から伝来した粉という意味で、古くは鉛白、白土のことを指し、後に貝殻胡粉の呼称となるなど、時代によって変遷があった。日本では瀬戸内海で牡蠣の養殖が始められたとされる室町時代以降本格的に用いられるようになった。

白雲母 きら

マスコバイト
KAl2(AlSi3)O10(OH,F)2

雲母は珪酸塩の層状結晶で、層同士の結合が弱いために薄く剥離するため、剥離材としても用いられた。また強い光沢を持つことから絵画や工芸にも用いられた。

333333

炭素 C 

松材や油を燃やして得た煤を膠で練って成形し乾燥したもの。

FFD700

金Au

C0C0C0

銀Ag

古代代表色
呼称
よみ
色見本
HTML記号

たん

FF5E19

茜色

あかねいろ

B20008

小豆色

あずきいろ

926257

臙脂・燕脂

えんじ

CC000A

鉛丹

えんたん

FF2632

韓紅・唐紅

からくれない

CC001B

紅・呉藍

くれない

CB4F6F

萌葱・萌黄

もえぎ

94B61F

青丹

あおに

A1B77A

藤色

ふじいろ

A398C9

鴇色

ときいろ

F28CBB

青丹

あおに

A1B77A

鶯色

うぐいすいろ

6D9A4A

浅葱・浅黄

あさぎ

00859B

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