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平成14年

■破壊免れたバーミヤン壁画 (朝日新聞 7月13日)

 昨年タリバン政権によって爆破破壊されたバーミヤン仏教遺跡で、写真家、中淳志が石窟内に残る壁画の撮影に成功した。バーミヤンにある約200の石窟で、以前壁画が確認されていた約30の石窟の内、少なくとも半数近くで壁画が残っていたという。

 爆破された大仏があった石窟内の壁画は無くなっていたが、すぐ脇の石窟内で「歩む仏陀」の壁画がほぼ完全な形で残っていたという。

(写真は第530窟の「奏楽の天人」)

 

平成13年

■タリバン、石仏破壊の跡を公開 (CNN 3月27日)

http://www.cnn.co.jp/2001/WORLD/03/26/taliban.reut/index.html

 アフガニスタン・バーミヤン(ロイター) アフガニスタンを実行支配するイスラム原理主義勢力タリバンは26日、仏教遺跡バーミヤンへの立ち入り禁止を解除し、石仏2体が破壊された跡を公開した。同地域は1カ月前にタリバンが仏像破壊を宣言して以来、立ち入り禁止となっていた。この日は破壊された石仏2体の状況を確認するために、海外の報道関係者が同遺跡を訪れた。
約1500年前に彫られたとされる巨大石仏は跡形もなく破壊されていた。宗派を超えて親しまれてきた貴重な文化財の破壊に国際社会から非難が巻き起こったが、タリバンは予告通り、仏像破壊を実行した。
「石仏を壊すのに20日もかかったよ」とタリバンの1人はロイター通信に語った。

 

■バーミヤン石仏:タリバン政権が破壊跡を公開 (毎日新聞 3月26日)

http://www12.mainichi.co.jp/news/search-news/821457/83o815b837e83848393-0-1.html

 アフガニスタンのタリバン政権は26日、2月26日の「仏像破壊令」布告以来初めて、中部バーミヤンへの約20人の外国メディアの立ち入りを認め、世界的な仏教遺跡として知られた2体の大石仏の破壊跡を公開した。 
 大石仏は垂直に切り立った崖(がけ)をくり抜いて彫像され、55メートルの男性像と38メートルの女性像の2体があった。しかし、男性像は完全に破壊され、がれきが足元部分に数メートルの高さで積み重なっていた。女性像は、右肩部分が少し残っている程度で、ほぼ完全に破壊。がれきは残っておらず、空洞になっていた。
 タリバンの地区司令官によると、破壊には約3週間を要し、ダイナマイトのほか、ロケット砲、戦車による砲撃で破壊した。
 破壊跡が公開された26日、現場では武装した数百人のタリバン兵士が警戒に当たっていた。
 バーミヤンは2月14日に反タリバン連合が奪還したが、その3日後に再びタリバンが制圧。現在も周辺地域で激しい戦闘が続いている。市民の多くは首都カブールなどに避難し、市内は閑散とし、最前線の緊張感が漂っているが、大石仏跡近くで、農作業をする人の姿が見られたという。

 

■続く戦い、残る廃虚…大仏破壊のバーミヤン(読売新聞 3月26日)

http://www.yomiuri.co.jp/05/20010326id21.htm

 世界最大級の大仏立像二体が爆破によって粉々に破壊されたアフガニスタン中部のバーミヤン。記者(佐藤)は二十六日午前、外国報道陣約二十人の一員として首都カブールから国営アリアナ航空のプロペラ機で到着した。冠雪した山並みと雪解け水が美しい町では、アフガンを実効支配するイスラム原理主義勢力タリバンと反タリバン勢力との戦闘が続き、一般住民の姿は一人として見かけなかった。「昨夜も町の中心部で戦闘があった。敵兵五十人を殺害、十五人を捕虜にした」と若いタリバン兵士が得意げに語りかけてきた。
 町中心部から約二キロ離れた空港は砂利で固めた滑走路が一本あるだけ。外国報道陣はタリバン政権側が用意したトラック四台に分乗して空港を出発。途中、市街地を通過したが、戦闘で住民が逃げ出したため、砂を固めて作った家並みだけが残る廃虚だった。部屋に残されたカレンダーが風に揺れる光景が窓越しに見えた。トラックが巻き上げる砂ぼこりが目に入って痛い。人影は反タリバン勢力と戦うカラシニコフ銃を手にしたタリバン兵士だけだ。町のあちこちでトラックの荷台に載せた対空砲が目に付いた。
 約十五分間でバーミヤンの北側に位置する約千の仏教石くつ群に到着した。石くつ群は幅一キロ余りにわたって広がるが、石仏立像の前には約百人の武装したタリバン兵士らが報道陣を遠巻きにして見守った。
 タリバン政権は偶像崇拝がイスラム法(シャリーア)に反するとして、二月二十六日に、アフガニスタン全土での彫像破壊を命ずる布告を出した。タリバンの爆破作業を目撃したカブール駐在のカタールのテレビ記者によると、高さ三十八メートルの大仏立像はダイナマイトによる爆破が約三回行われた。同五十五メートルの大仏立像は、共産主義政権時代に鉄線などを使って補強・修復されたため簡単に破壊できず、脚部、頭部、首、左右の肩、胴体の順で計六回も爆破された。首と頭部はタリバンの兵士三十〜四十人が、がけの上からロープで降りてダイナマイトを仕掛けたという。
 大仏を眺めていると、あるタリバン兵士が報道陣に「外国人は今回の仏像破壊をすごく悲しんでいるんだろう」と尋ねてきた。約二時間に及んだ取材を終えてトラックの荷台に乗り込むと、三十人余りのタリバン兵士が見送りに来た。
 笑顔を見せながら、兵士たちが「地獄に落ちろ!」とパシュトゥー語でば声を浴びせかけた。ば声の裏には、制裁を科し続ける国際社会への憎しみが込められていたのかも知れない。

 ◆バーミヤン大仏立像◆
 アフガニスタンは古来、シルクロード交易上の重要な位置を占め「文明の十字路」と呼ばれた。三〜七世紀に仏教が盛んとなり、二体の大仏立像は四〜六世紀ごろに建造されたとされる。大仏は七世紀前半にバーミヤンを訪れた中国の僧玄奘三蔵の「大唐西域記」にも登場。ギリシャ風の衣服をまとい、ヘレニズムとインド、中央アジアの古典美術のユニークな融合を体現していた。

 

■大仏の破壊現場を公開(読売新聞 3月26日)

http://www.yomiuri.co.jp/05/20010326it12.htm

 アフガニスタンのイスラム原理主義勢力タリバン政権は二十六日、同国中部にあるバーミヤン石くつ群の大仏立像二体が完全に破壊されている現場を初めて外国報道陣に公開した。
 高さ五十五メートルの大仏立像は完全に破壊され、くり抜かれた壁面の奥にわずかに頭部と肩の輪郭が残るだけ。両腕のあった位置はダイナマイトによる爆発の跡なのか黒く焼け焦げていた。がらんどうとなった壁面の下には、がれきが積み重なるだけの無残な姿に変わり果てていた。
 また、同大仏から東に一キロ弱離れた高さ三十八メートルの大仏立像は、右肩から腕にかけてギリシャ風の衣服の模様が一部残っていたが、その他の部分は壁面の下にがれきとなって重なっていた。周辺には迫撃砲などで武装したタリバンの兵士百人余りが警戒に当たっていた。
 約千五百年に及ぶ歴史を誇った世界最大級の大仏立像二体の姿はなく、いずれも垂直に切り立つがけの側面に巨大な穴だけがうつろな姿をさらけ出していた。

 

■「カニシカ王像」など破壊−−情報文化相、毎日新聞と会見 (毎日新聞 3月22日)

 アフガニスタンのイスラム原理主義勢力タリバン政権のジャマル情報文化相(33)は21日、毎日新聞などと会見し、世界的な遺産として知られる国立カブール博物館収蔵の「カニシカ王像」などを破壊したことを明らかにした。
 情報文化相によると、破壊命令は、考古学や仏教美術史のうえで極めて重要で、インドのマツーラ美術館の「カニシカ王像」と対をなすカブールの「カニシカ王像」や、一切の仏像に対して出された。破壊された点数は「不明だ」という。
 破壊作業は「破壊令」が布告された2月26日の翌日から開始、石やハンマーを使って打ち壊し、今月17日に完了したという。
 同相によると、仏像などの文化遺産は、1979年のソ連侵攻に伴う戦乱により大半が破壊され、略奪の対象になった。特にカブール博物館は、ロケット砲弾などで廃虚と化し、96年9月にタリバンが首都を制圧した時には約9割の収蔵品が失われたという。
 情報文化省は、散らばったコレクションを同博物館の展示室に集め、ドラム缶や木箱に詰めて厳重に保管していた。
 昨年、悪徳美徳省が「仏像は偶像崇拝を禁止するイスラムの教えに反する」として破壊を強行しようとしたが、「『仏像は文化遺産』との立場から思いとどまるよう説得を続けた」という。だが、今回は、絶対命令となる「破壊令」が布告されたことで、「執行する状況」になったという。碑文やコイン、剣や古式銃など仏像以外の美術品は無傷という。
 カニシカ王は、2世紀中ごろに中央アジアからインド北西部を支配したクシャーン帝国の王と言われ、仏教を保護し、パキスタンのペシャワル南東の首都に大塔を建立したり、仏像を刻んだ金貨を流通させた。
 アフガニスタンは古代シルクロードの中間点に位置し、ギリシャ文明とインド文明が融合したガンダーラ仏の宝庫として知られ、カブール博物館は世界でも有数のコレクションを誇っていた。

 

■大仏破壊の跡、CNNが独占映像を入手 (CNN 3月19日)

http://www.cnn.co.jp/2001/WORLD/03/18/cnn.obtain.images/index.html

 イスラマバード(CNN)CNNは18日までに、フリーのジャーナリストからアフガニスタンのバーミヤン石仏2体がイスラム原理主義勢力タリバンによって破壊された跡の映像を入手した。その映像によると、2体とも原形をとどめない。また、この日、スリランカ政府が石仏の破片を買い取って、同国で復元する計画をもっていることが明らかになった。
CNNが入手した映像では、大仏が収まっていた石窟(せっくつ)はくりぬかれた空洞のようになっていて、上半身や頭の輪郭が残っている程度。

スリランカが破片を買い取り、復元を計画
この日、タリバンによる仏像破壊の中止を求めていたスリランカ政府が、破壊された石仏の破片を買い取り、同国で復元する計画を持っていることが明らかになった。チャンドリカ・クマラトゥンガ大統領は現在、欧州を訪れているが、帰国後、計画を提案をするという。
ジャヤコディ大統領顧問は「我々にはそのような立像を造る専門技術も経験もある」とスリランカの英字紙サンデー・タイムズに語った。資金はユネスコなど国際機関を通して集める計画という。スリランカは国民の約70%が仏教徒とされ、国内に石仏などもある。

 

■「偶像は岩と同じ」 石仏破壊批判にタリバンが反論 (CNN 3月16日)

http://www.cnn.co.jp/2001/WORLD/03/16/taliban/index.html

 アフガニスタン・カンダハル(CNN) アフガニスタンのイスラム原理主義勢力タリバンによる石仏破壊に国際的な批判が高まる中、タリバンの報道担当者がCNNに、「偶像は岩と同じで、どうしようとアフガニスタンの国内問題だ」とコメントした。また、隣国パキスタンの情報によると、タリバンの最高指導者、オマル師が15日、『偶像破壊』が遅れた償いとして、全国で100頭のウシをいけにえにするよう命じた模様だ。
タリバンの報道担当アブドゥル・ハイ・ムトメイン氏は、石仏破壊についてCNNに対し、「仏教徒に反発してこれらの偶像を破壊しているのではない。アフガニスタンには、偶像を崇拝する仏教徒は1人としていないのだ」とコメントした。
また国際社会の批判に関しては、「アフガンにある偶像は、アフガンにある岩と同じで、どう扱うかは国内問題だ。世界中の人が懸念すること自体、おかしい」と反発した。

「偶像維持は恥ずべき行為」
タリバン政権が最高指導者、オマル師の名前で『偶像破壊』の布告を出したのは2月26日。これに対し国連をはじめ多くの国や団体が、破壊停止を呼び掛けたほか、ニューヨークのメトロポリタン美術館などは、石仏の買い取りも提案した。
しかしタリバンはこうした呼び掛けを拒否。今週初めには、仏教遺跡として有名なバーミヤンの巨大石仏破壊が確認された。
「イスラム教の進歩のために、偶像を破壊しなくてはならない」と、ムトメイン氏は主張する。「人は、アフガニスタンの歴史的遺産だというが、我々にとっては反対に、これら偶像を持つことは恥ずべき行為にあたる」と述べ、石仏破壊をあらためて正当化した。

ウシ100頭をいけにえ
パキスタンからの報道によると、タリバンのラジオ局「シャリア」(イスラムの法)が15日、首都カブールの制圧から仏像破壊まで、4年もかかったことへのあがないとして、「ウシ100頭をいけにえにしなくてはならない」と伝えた。
オマル師が、首都カブールで12頭、29の州都でそれぞれ少なくとも3頭のウシを捧げるように命じたという。

 

■文化財破壊に罰則を検討 ユネスコ事務局長 (CNN 3月14日)

http://www.cnn.co.jp/2001/WORLD/03/14/taliban.unesco/index.html

 アフガニスタンのイスラム原理主義勢力タリバンによる、バーミヤンの巨大石仏破壊を受け、国連教育科学文化機関(ユネスコ)の松浦晃一郎事務局長は13日、文化財破壊を処罰できる国際法を整備する必要性があるとの考えを明らかにした。
大仏破壊が実行されたことについて、松浦事務局長は記者団を前に13日、ユネスコはタリバンに対し無力であり、タリバンの責任を問うこともできないと嘆いた。
その上で、松浦事務局長は、「文化財に対する犯罪を罰する、法的枠組みを作る必要がある」と表明。国連旧ユーゴスラビア戦犯法廷(オランダ・ハーグ)がハーグ条約をもとに、文化財破壊を処罰できることを引き合いに出し、「こうした先例を見れば、国際社会が文化財を守り、文化財破壊に関する罰則を設けることができる」と語った。

アフガニスタンの90パーセントを支配する、イスラム原理主義勢力タリバン
旧ユーゴ戦犯法廷では、武力紛争の際の文化財保護を目的に1954年に締結された、ハーグ戦時文化財保護条約に基づいて、文化財破壊に関する罪を問うことができる。
しかしタリバンによる今回の石仏破壊は、戦時下の行為でないことに加え、そもそもタリバンが条約締結国でないため、ハーグ条約の対象にはならない。
松浦事務局長は、「条約の解釈を拡大強化するべきだ」と語り、同保護条約を基に、罰則を強化するなどして国際法の枠組みを整備する方針を示した。

 

■バーミヤンの大仏破壊、ユネスコが確認 CNN映像流す  (朝日新聞 3月13日)

(破壊前の大仏像)

公開された大仏像の写真 byCNN (破壊前-上写真-に比べ下半身が破壊されているのが判る)

爆破の瞬間と思われる byCNN (上の写真がこの爆破の前のものか後のものかは不明)

http://www.asahi.com/0312/news/international12020.html

 アフガニスタンのイスラム原理主義勢力タリバーンがバーミヤンの大仏を破壊しようとしていた問題で、国連教育科学文化機関(ユネスコ)は12日、「すでに破壊が実施された」と発表した。タリバーン側は11日に大仏の上部の破壊を認めていたが、国連機関による確認は初めて。米CNNテレビもこの日、破壊された大仏の映像を放映した。
 ユネスコによると、破壊は大仏の上部だけでなく、全体に及んでおり、ラフランス特使が独自の情報源から確認、松浦晃一郎事務局長に伝えたという。松浦事務局長は「特使から直接聞いて、ぼうぜんとしている。アフガニスタン市民だけでなく、人類全体にとっての貴重な文化遺産を壊すとは、憎むべき行為であり、取り返しのつかない被害だ」との声明を出した。また、タリバーンの行為を「文化に対する犯罪だ。彼らは国際社会の働きかけにも、イスラム教の指導者らの反対にも、耳を貸そうとしなかった」と厳しく批判した。
 松浦事務局長は「特使には、アフガニスタンにある大仏以外の遺産を守るために最善を尽くして欲しいと要請した」とも述べた。

 

■タリバンが巨大仏像の1体の上半身を破壊 (毎日新聞 3月9日) 

http://www12.mainichi.co.jp/news/search-news/820178/83o815b837e83848393-0-2.html

 アフガニスタンのイスラム原理主義勢力タリバンが仏像を破壊していると伝えられている問題で、パキスタンのアフガン・イスラム通信は9日、タリバンがアフガン中部の仏教遺跡バーミヤンの石窟群にある2つの巨大仏像のうち、一方の上半身の大部分を破壊したと報じた。仏像の下部はすでに破壊されており、胴体部分の一部しか残っていない状態という。
 同通信はタリバン政権に近い通信社で、独自の情報源の話として伝えた。
 アフガニスタン中部のバーミヤンには、千数百年前のものとみられる高さ約55メートルと35メートルの仏像が、砂岩でできた丘の壁面に彫りこまれる形で立っている。8日以降に爆破されたのは、このうち大きい方の仏像とみられ、同通信は、タリバン政権が9日中に仏像を完全に破壊する計画だと報じた。
 一方、カブール発AFP通信は、アフガンの反タリバン勢力の話として9日、タリバンが戦車の砲弾やダイナマイトを使って2体の巨大仏像を破壊していると伝えた。
 アフガニスタン国土の9割を支配するタリバン政権は先月26日、「偶像崇拝を禁じるイスラム教の教えに従う」ことを理由にすべての仏像を破壊すると宣言した。国連や日本など各国は、「人類共通の文化遺産への破壊活動」と強く非難している。
 タリバンはイスラム教の祝日入りを理由に、今週初め、破壊活動を中断したが、報道などによると8日から大量の爆薬を投入した大規模な破壊を再開した模様だ。
 バーミヤンの石窟群近くへの報道関係者の立ち入りは、先月26日の破壊宣言以来、禁じられている。

 

■タリバン、犠牲祭に合わせ大仏破壊を中断 読売

http://www.yomiuri.co.jp/05/20010306id27.htm

 アフガニスタンを実効支配するイスラム原理主義勢力タリバンのザイーフ駐パキスタン大使は六日、アフガニスタン中部バーミヤンの二体の大仏立像の破壊を一時中断したことを明らかにした。イスラム教の犠牲祭に合わせたもので、同祭明けに破壊作業を再開するという。AP通信が伝えた。犠牲祭は年に一回、巡礼月に行われ、アフガニスタンでは五日から八日まで。アフガン領内のタリバン高官は報道陣に対して、五日以降コメントをしていない。
 バーミヤンには、大仏立像のほかに約千の仏教石窟(せっくつ)群が残るが、複数の目撃証言によると、タリバン兵士の砲撃により既に半分以上が損壊したという。

 

■バーミヤンの大仏、「頭と脚部破壊」とタリバーン情報相 (朝日新聞 3月3日)

http://www.asahi.com/0303/news/international03013.html

 アフガニスタンのイスラム原理主義勢力タリバーンのジャマル情報相は3日、中部バーミヤンにある世界的に知られる大仏について「2日に頭部と脚部を破壊した。4日中には爆破作業は終了する。国内の仏像などはすでに3分の2を破壊し、残りもあと2日で破壊する」と述べた。
 同情報相と接触したカブール在住のアフガン人記者から朝日新聞が得た情報によると、情報相はバーミヤンにいる兵士らと無線で連絡をとっており、「破壊作業は続きもうすぐ大仏は倒壊する」と語ったという。2体ある大仏のどちらが破壊されたのかは明らかにしなかったが、同記者は両方の大仏の破壊が同時に進められているとの見方を示した。
 バーミヤンには2つの大仏以外にも小さな仏座像などのための石くつもある。爆破作業で周囲のこうした貴重な文化財も被害を受ける可能性が高い。
 情報相の発言は閣僚として初めて、仏像破壊を確認したものだ。しかし、タリバーンは外国人の入国を制限しており、破壊を確認した第三者の情報はまだない。同記者によると、仏像を収蔵しているカブール市内の博物館も3日は扉が閉ざされ、中の様子はわからないという。
 国際的な批判も高まっているが、タリバーン側の姿勢は強硬だ。大仏の重要性について尋ねたフランス通信記者に対し、ジャマル情報相は「それは大きな問題ではない。こうした像は単なる泥と石のかたまりで、壊すのは簡単だ。手も頭も足もすべて壊す」と語っている。

 

■タリバン バーミヤンの石仏像を破壊 ロケット砲などで(毎日新聞 3月3日)

http://www.mainichi.co.jp/news/selection/news09.html

 アフガニスタン国内の彫像破壊に着手したとされるイスラム原理主義勢力タリバンは3日、同国中部バーミヤンの石窟群にある巨大石仏像2体の一部を2日の攻撃で破壊したことを明らかにした。タリバン政権のジャマル情報文化相がAP通信に語った。同相はさらに「アフガニスタンにある彫像の3分の2をすでに破壊した。残りもあと2日で破壊する」と言明しており、国際社会のタリバン非難が強まるのは必至だ。
 ジャマル情報文化相はバーミヤンのタリバン部隊からの情報に基づき、AP通信に対して「バーミヤンの仏像の頭部と脚部は昨日(2日)破壊された。我々の兵士たちは残りの部分を破壊するべく懸命に作業を続けており、他の部分も間もなく落下するだろう」と語った。2月26日にタリバン最高指導者のオマル師が彫像破壊令を出して以来、タリバン高官が巨大石仏像の破壊を認めたのは初めて。AP通信は、タリバン部隊が破壊にあたり強力な爆発物とロケット砲などを使用したと報じている。
 巨大石仏像は首都カブールの北西約130キロにあるバーミヤンの山肌に削り出された高さ約55メートルと同35メートルの立像で、世界的な文化遺産として知られる。低い方の像の頭部はタリバンの砲撃で1998年までに破壊されたことが明らかになっている。
 ジャマル情報文化相によると、仏像破壊はバーミヤンだけでなく、ヘラート、ガズニ、カブール、ジャララバードなどでも実施されたという。同相は「我々はいかなる仏像も容赦するつもりはない」と破壊継続の姿勢を示している。
 一方、国連教育科学文化機関(ユネスコ)の松浦晃一郎事務局長の特使、ラフランス元駐パキスタン仏大使は3日、パキスタンの首都イスラマバードでタリバン政権のザイーフ駐パキスタン大使と面会し、国際社会が抱いている懸念を伝達した。

 

■タリバン「大仏立像の一部破壊」(産経新聞 3月3日)

http://www.sankei.co.jp/html/0303side070.html

 アフガニスタンを実効支配するイスラム原理主義勢力タリバン政権のジャマル情報文化相は三日、AP通信に対し、同国中部バーミヤンの石窟(せっくつ)群にあり、貴重な文化遺産として世界的に知られる大仏立像の「頭と足の部分を二日破壊した」と述べた。
 タリバンの高官が大仏立像破壊の事実を認めたのは初めて。大仏立像の破壊の真偽については情報が錯綜(さくそう)していた。
 情報文化相は「タリバン兵士が懸命に作業を続けており、間もなく完全に壊される」と述べた。国際社会のタリバンへの非難がさらに強まるのは必至だ。
 同相は、二日時点で二つの大仏立像両方の頭と足を破壊したのか、どちらか一方だけなのかについては明言しなかった。
 六−九世紀に建立されたとみられている大仏のうち、小さい方の高さ三十八メートルの立像は、タリバンの砲撃で頭の部分が一九九八年までに破壊されたことが、専門家らの調査で既に明らかになっている。
 タリバンはカブール博物館やバーミヤンなどでの仏像破壊の状況を公開していないため、破壊の程度を確認できない状態が続いている。

 

■タリバン バーミヤン石仏を砲撃(産経新聞 3月3日)

各州で歴史的彫像の破壊開始 国際非難を無視 最大の後ろ楯 パキスタンも失望

http://www.sankei.co.jp/paper/today/internat/03int001.htm

 アフガニスタンを実効支配するイスラム原理主義勢力のタリバン政権は二日、前日に始めた博物館などの仏像破壊に続き、中部バーミヤンの約二千年前に建立された世界最大の石仏像二体に対してロケット砲や戦車砲による砲撃を行った。タリバンは偶像崇拝を禁じたイスラムの教えに従ったとしているが、国連の警告を無視した世界遺産の大規模な破壊に対して、最大の後ろ盾であるパキスタンなどイスラム諸国も失望感を表明した。
 現地からの報道などによると、砲撃の事実はタリバンと反タリバン勢力の双方が明らかにした。当局筋がAFP通信に語ったところによると、タリバンが二日、石仏への自動小銃による乱射に加え、ロケット弾や戦車砲による砲撃を開始したという。
 一方、反タリバン勢力のひとつ「イスラム運動」のサイード・アヌワリ党首が、バーミヤンの中心から約三十キロの地点に展開する同勢力の野戦司令官から得た情報によると、タリバンは仏像破壊の方針決定に基づいて弾薬などをバーミヤンに集積。仏像周辺に爆弾を配置し、近隣住民の立ち入りを禁止した。
 タリバンの最高指導者、モハマド・オマル師は先月二十六日、二つの石仏を含むアフガン国内のあらゆる彫刻・仏像の破壊を命令した。これを受けて一日から、カブール博物館のほか、ガズニ、ジャララバード、カンダハルなどの各州でも歴史的彫像の破壊を開始していた。
 これに対して、欧米諸国をはじめタイ、スリランカ、ネパールなどの仏教諸国、イラン、インドなどの周辺諸国などで非難が広がっている。また、タリバンに軍事支援を継続してきたパキスタンもサッタル外相が「われわれはアフガン政権に歴史的な遺産を守るよううながした」と語るなど、イスラム諸国でも破壊工作の中止を求める声が相次いでいる。
 国連のベンドレル事務総長特使(アフガニスタン担当)も一日、カブールでタリバンのムタワキル外相と会談。彫刻や仏像の破壊を実行に移せばタリバンは国際的な批判を招くと警告していた。また、国連教育科学文化機関(ユネスコ)は二日、松浦晃一郎事務局長の特使として、ラフランス元駐イラン・フランス大使をアフガンに派遣したと発表した。ラフランス氏は、タリバン当局者と会談するほか、サウジアラビアで開かれるイスラム諸国会議機構(OIC)で今回の問題を協議する。
 ◇
 ≪偶像崇拝の禁止≫アラーの神を唯一の神としてあがめるイスラム教の根本聖典である「コーラン」(正式にはクルアーン)には、「あなたがた信仰するものよ、偶像と古い矢は、忌み嫌われる悪魔の業である」(五章九十節)、「あなたがたは、偶像を拝し、虚偽をねつ造しているに過ぎない。あなたがたがアラーをさし置いて拝するものたちは、あなたがたに御恵みを与える力はない」(二十九章十七節)などと随所で書かれており、イスラム教徒に対し被造物である偶像の崇拝を厳しく禁じている。偶像を崇拝することは唯一神であるアラー以外の神を信仰することで多神教とみなされ、絶対に許されないことと解釈される。
 このため、イスラム教徒が祈りをささげる寺院(モスク)の中には一切の偶像がなく、祈りは聖地メッカの方向に向かって行われる。

 

■巨大仏破壊開始か タリバン ロケット砲撃ち込む(東京新聞 3月3日)

http://www.tokyo-np.co.jp/news/index030313.html

 アフガニスタンからの報道によると、同国の大半を支配するイスラム原理主義勢力タリバンの兵士は二日、世界的に有名な中部の仏教遺跡「バーミヤンの石窟(せっくつ)」の破壊活動も始めたもようだ。
 AFP通信がタリバン筋の話として伝えたところによると、最高指導者オマル師の指令を受けたタリバン兵は、ロケット弾や戦車砲、自動小銃など「所持しているすべての武器」を使い、高さ五十五メートルと三十八メートルの二大仏像を含む彫像の破壊を進めているという。
 タリバンは一九九八年にバーミヤン地区を支配下に置いた。反タリバン勢力との戦闘が始まった先月以降は、住民や報道関係者の立ち入りを禁止しているため、破壊の詳しい状況は分かっていない。

 

■バーミヤンの大仏、「頭と脚部破壊」とタリバーン情報相 (朝日新聞 3月3日)

http://www.asahi.com/0303/news/international03013.html

 アフガニスタンのイスラム原理主義勢力タリバーンのジャマル情報相は3日、中部バーミヤンにある世界的に知られる大仏について「2日に頭部と脚部を破壊した。4日中には爆破作業は終了する。国内の仏像などはすでに3分の2を破壊し、残りもあと2日で破壊する」と述べた。
 同情報相と接触したカブール在住のアフガン人記者から朝日新聞が得た情報によると、情報相はバーミヤンにいる兵士らと無線で連絡をとっており、「破壊作業は続きもうすぐ大仏は倒壊する」と語ったという。2体ある大仏のどちらが破壊されたのかは明らかにしなかったが、同記者は両方の大仏の破壊が同時に進められているとの見方を示した。
 バーミヤンには2つの大仏以外にも小さな仏座像などのための石くつもある。爆破作業で周囲のこうした貴重な文化財も被害を受ける可能性が高い。
 情報相の発言は閣僚として初めて、仏像破壊を確認したものだ。しかし、タリバーンは外国人の入国を制限しており、破壊を確認した第三者の情報はまだない。同記者によると、仏像を収蔵しているカブール市内の博物館も3日は扉が閉ざされ、中の様子はわからないという。
 国際的な批判も高まっているが、タリバーン側の姿勢は強硬だ。大仏の重要性について尋ねたフランス通信記者に対し、ジャマル情報相は「それは大きな問題ではない。こうした像は単なる泥と石のかたまりで、壊すのは簡単だ。手も頭も足もすべて壊す」と語っている。

 

■タリバン バーミヤンの石仏像を破壊 ロケット砲などで(毎日新聞 3月3日)

http://www.mainichi.co.jp/news/selection/news09.html

 アフガニスタン国内の彫像破壊に着手したとされるイスラム原理主義勢力タリバンは3日、同国中部バーミヤンの石窟群にある巨大石仏像2体の一部を2日の攻撃で破壊したことを明らかにした。タリバン政権のジャマル情報文化相がAP通信に語った。同相はさらに「アフガニスタンにある彫像の3分の2をすでに破壊した。残りもあと2日で破壊する」と言明しており、国際社会のタリバン非難が強まるのは必至だ。
 ジャマル情報文化相はバーミヤンのタリバン部隊からの情報に基づき、AP通信に対して「バーミヤンの仏像の頭部と脚部は昨日(2日)破壊された。我々の兵士たちは残りの部分を破壊するべく懸命に作業を続けており、他の部分も間もなく落下するだろう」と語った。2月26日にタリバン最高指導者のオマル師が彫像破壊令を出して以来、タリバン高官が巨大石仏像の破壊を認めたのは初めて。AP通信は、タリバン部隊が破壊にあたり強力な爆発物とロケット砲などを使用したと報じている。
 巨大石仏像は首都カブールの北西約130キロにあるバーミヤンの山肌に削り出された高さ約55メートルと同35メートルの立像で、世界的な文化遺産として知られる。低い方の像の頭部はタリバンの砲撃で1998年までに破壊されたことが明らかになっている。
 ジャマル情報文化相によると、仏像破壊はバーミヤンだけでなく、ヘラート、ガズニ、カブール、ジャララバードなどでも実施されたという。同相は「我々はいかなる仏像も容赦するつもりはない」と破壊継続の姿勢を示している。
 一方、国連教育科学文化機関(ユネスコ)の松浦晃一郎事務局長の特使、ラフランス元駐パキスタン仏大使は3日、パキスタンの首都イスラマバードでタリバン政権のザイーフ駐パキスタン大使と面会し、国際社会が抱いている懸念を伝達した。

 

■タリバン「大仏立像の一部破壊」(産経新聞 3月3日)

http://www.sankei.co.jp/html/0303side070.html

 アフガニスタンを実効支配するイスラム原理主義勢力タリバン政権のジャマル情報文化相は三日、AP通信に対し、同国中部バーミヤンの石窟(せっくつ)群にあり、貴重な文化遺産として世界的に知られる大仏立像の「頭と足の部分を二日破壊した」と述べた。
 タリバンの高官が大仏立像破壊の事実を認めたのは初めて。大仏立像の破壊の真偽については情報が錯綜(さくそう)していた。
 情報文化相は「タリバン兵士が懸命に作業を続けており、間もなく完全に壊される」と述べた。国際社会のタリバンへの非難がさらに強まるのは必至だ。
 同相は、二日時点で二つの大仏立像両方の頭と足を破壊したのか、どちらか一方だけなのかについては明言しなかった。
 六−九世紀に建立されたとみられている大仏のうち、小さい方の高さ三十八メートルの立像は、タリバンの砲撃で頭の部分が一九九八年までに破壊されたことが、専門家らの調査で既に明らかになっている。
 タリバンはカブール博物館やバーミヤンなどでの仏像破壊の状況を公開していないため、破壊の程度を確認できない状態が続いている。

 

■タリバン バーミヤン石仏を砲撃(産経新聞 3月3日)

各州で歴史的彫像の破壊開始 国際非難を無視 最大の後ろ楯 パキスタンも失望

http://www.sankei.co.jp/paper/today/internat/03int001.htm

 アフガニスタンを実効支配するイスラム原理主義勢力のタリバン政権は二日、前日に始めた博物館などの仏像破壊に続き、中部バーミヤンの約二千年前に建立された世界最大の石仏像二体に対してロケット砲や戦車砲による砲撃を行った。タリバンは偶像崇拝を禁じたイスラムの教えに従ったとしているが、国連の警告を無視した世界遺産の大規模な破壊に対して、最大の後ろ盾であるパキスタンなどイスラム諸国も失望感を表明した。
 現地からの報道などによると、砲撃の事実はタリバンと反タリバン勢力の双方が明らかにした。当局筋がAFP通信に語ったところによると、タリバンが二日、石仏への自動小銃による乱射に加え、ロケット弾や戦車砲による砲撃を開始したという。
 一方、反タリバン勢力のひとつ「イスラム運動」のサイード・アヌワリ党首が、バーミヤンの中心から約三十キロの地点に展開する同勢力の野戦司令官から得た情報によると、タリバンは仏像破壊の方針決定に基づいて弾薬などをバーミヤンに集積。仏像周辺に爆弾を配置し、近隣住民の立ち入りを禁止した。
 タリバンの最高指導者、モハマド・オマル師は先月二十六日、二つの石仏を含むアフガン国内のあらゆる彫刻・仏像の破壊を命令した。これを受けて一日から、カブール博物館のほか、ガズニ、ジャララバード、カンダハルなどの各州でも歴史的彫像の破壊を開始していた。
 これに対して、欧米諸国をはじめタイ、スリランカ、ネパールなどの仏教諸国、イラン、インドなどの周辺諸国などで非難が広がっている。また、タリバンに軍事支援を継続してきたパキスタンもサッタル外相が「われわれはアフガン政権に歴史的な遺産を守るよううながした」と語るなど、イスラム諸国でも破壊工作の中止を求める声が相次いでいる。
 国連のベンドレル事務総長特使(アフガニスタン担当)も一日、カブールでタリバンのムタワキル外相と会談。彫刻や仏像の破壊を実行に移せばタリバンは国際的な批判を招くと警告していた。また、国連教育科学文化機関(ユネスコ)は二日、松浦晃一郎事務局長の特使として、ラフランス元駐イラン・フランス大使をアフガンに派遣したと発表した。ラフランス氏は、タリバン当局者と会談するほか、サウジアラビアで開かれるイスラム諸国会議機構(OIC)で今回の問題を協議する。
 ◇
 ≪偶像崇拝の禁止≫アラーの神を唯一の神としてあがめるイスラム教の根本聖典である「コーラン」(正式にはクルアーン)には、「あなたがた信仰するものよ、偶像と古い矢は、忌み嫌われる悪魔の業である」(五章九十節)、「あなたがたは、偶像を拝し、虚偽をねつ造しているに過ぎない。あなたがたがアラーをさし置いて拝するものたちは、あなたがたに御恵みを与える力はない」(二十九章十七節)などと随所で書かれており、イスラム教徒に対し被造物である偶像の崇拝を厳しく禁じている。偶像を崇拝することは唯一神であるアラー以外の神を信仰することで多神教とみなされ、絶対に許されないことと解釈される。
 このため、イスラム教徒が祈りをささげる寺院(モスク)の中には一切の偶像がなく、祈りは聖地メッカの方向に向かって行われる。

 

■巨大仏破壊開始か タリバン ロケット砲撃ち込む(東京新聞 3月3日)

http://www.tokyo-np.co.jp/news/index030313.html

 アフガニスタンからの報道によると、同国の大半を支配するイスラム原理主義勢力タリバンの兵士は二日、世界的に有名な中部の仏教遺跡「バーミヤンの石窟(せっくつ)」の破壊活動も始めたもようだ。
 AFP通信がタリバン筋の話として伝えたところによると、最高指導者オマル師の指令を受けたタリバン兵は、ロケット弾や戦車砲、自動小銃など「所持しているすべての武器」を使い、高さ五十五メートルと三十八メートルの二大仏像を含む彫像の破壊を進めているという。
 タリバンは一九九八年にバーミヤン地区を支配下に置いた。反タリバン勢力との戦闘が始まった先月以降は、住民や報道関係者の立ち入りを禁止しているため、破壊の詳しい状況は分かっていない。

 

■バーミヤンの大仏、「頭と脚部破壊」とタリバーン情報相 (朝日新聞 3月3日)

http://www.asahi.com/0303/news/international03013.html

 アフガニスタンのイスラム原理主義勢力タリバーンのジャマル情報相は3日、中部バーミヤンにある世界的に知られる大仏について「2日に頭部と脚部を破壊した。4日中には爆破作業は終了する。国内の仏像などはすでに3分の2を破壊し、残りもあと2日で破壊する」と述べた。
 同情報相と接触したカブール在住のアフガン人記者から朝日新聞が得た情報によると、情報相はバーミヤンにいる兵士らと無線で連絡をとっており、「破壊作業は続きもうすぐ大仏は倒壊する」と語ったという。2体ある大仏のどちらが破壊されたのかは明らかにしなかったが、同記者は両方の大仏の破壊が同時に進められているとの見方を示した。
 バーミヤンには2つの大仏以外にも小さな仏座像などのための石くつもある。爆破作業で周囲のこうした貴重な文化財も被害を受ける可能性が高い。
 情報相の発言は閣僚として初めて、仏像破壊を確認したものだ。しかし、タリバーンは外国人の入国を制限しており、破壊を確認した第三者の情報はまだない。同記者によると、仏像を収蔵しているカブール市内の博物館も3日は扉が閉ざされ、中の様子はわからないという。
 国際的な批判も高まっているが、タリバーン側の姿勢は強硬だ。大仏の重要性について尋ねたフランス通信記者に対し、ジャマル情報相は「それは大きな問題ではない。こうした像は単なる泥と石のかたまりで、壊すのは簡単だ。手も頭も足もすべて壊す」と語っている。

 

■バーミヤンの大仏攻撃開始、と報道 世界的文化財に打撃 (朝日新聞 3月3日)

 アフガニスタンのイスラム原理主義勢力、タリバーンが2日、世界的に知られる中部バーミヤンの2体の大仏に対し、ロケット弾や戦車砲、自動小銃による破壊攻撃を開始した、とAFP通信などが伝えた。
 アフガン当局者や反体制筋の話として報じたもので、「人々は感情のままに撃っている」とタリバーンの民兵は語ったという。大仏の真下に爆薬も置いた、という情報もある。アフガン・イスラム通信は、2日中に仏像の爆破が完了すると伝えた。
 一方「バーミヤンの仏像に今日は触れていないが、(破壊の)準備はしている」(タリバーンの駐パキスタン大使)などの報道もある。
 破壊が事実なら国際的な批判はさらに高まりそうだ。一方で、インド政府はタリバーンが破壊しようとしている仏像をインドに移送して保存することを提案し、米ニューヨークのメトロポリタン美術館は買い取りたいと申し出ている。また、タイやカンボジア政府が国連教育科学文化機関(ユネスコ)が仲介すべきだと主張するなど波紋を呼んでいる。
 タリバーンの最高指導者モハマド・オマール師が仏像や彫像を破壊する布告を発令したのが2月26日。タリバーンはこれを受け3月2日、支配する各地域から爆薬などを集めるとともに、大仏がある地区への一般市民の立ち入りを禁止していた。
 一方、タリバーンが属するイスラム教スンニ派法学者の最高権威の1人、エジプトのナスル・ファリード・ワセル師は2日付のアラブ圏紙アルハヤトとのインタビューで、「仏像は単に歴史を示すものであり、イスラム教徒の信仰に悪影響はない」と述べ、タリバーンによる仏像破壊を批判した。

 

■タリバンが彫像破壊令、バーミヤン石仏ピンチ (読売新聞 3月3日)

http://www.yomiuri.co.jp/05/20010227i513.htm

 アフガニスタンを実効支配するイスラム原理主義勢力タリバンの最高指導者ムハンマド・オマル師は二十六日、布告を出し、偶像崇拝を禁じるイスラム法(シャリーア)に反するとして、仏像など国内のすべての彫像を破壊するよう命じた。タリバンのラジオなどが伝えた。同国中部バーミヤンの二大石仏など貴重な文化遺産も破壊の対象になるとみられ、ユネスコ(国連教育・科学・文化機関)は同日、タリバンに対し、文化遺産の保護を求める緊急声明を発表した。
 オマル師は布告で「(イスラム教で神を意味する)アラーだけが崇拝に値する」と述べた。また、二十七日には通信社を通じて発表した声明で「まず何よりイスラムの歴史に目を向けなければならない。破壊するのはただの石に過ぎない」と語り、イスラム教興隆以前の歴史は無価値だとの考えを示した。
 シルクロード交易上の重要な位置を占めてきたアフガニスタンでは、かつて仏教が栄え、バーミヤンには約千の仏教石窟(せっくつ)が残る。中でも四―六世紀に作られた高さ五十五メートルと三十八メートルの二つの大仏立像は世界的に有名。
 タリバンは一九九七年四月、このバーミヤンの大仏の爆破を予告、九八年九月には三十八メートルの大仏に砲弾を撃ち込み、頭部などを損傷させた経緯がある。タリバンは国際テロの内幕とされるオサマ・ビンラーデン氏の引き渡しに応じないため、国連制裁も強化されており、仏像の破壊まで実行すれば、国際的な非難にさらされるのは必至だ。

 

■タリバン、国際非難無視しバーミヤン大仏砲撃 (読売新聞 3月2日)

http://www.yomiuri.co.jp/05/20010302id21.htm

 カブールからの報道によると、アフガニスタンを実効支配するイスラム原理主義勢力タリバンは二日、同国中部バーミヤンの二体の大仏立像に対し、ロケット砲などを使った大がかりな破壊攻撃を始めた。国際的非難を無視し破壊行為に踏み切った背景には、制裁を強化する国際社会への「報復」や勢力内部での強硬派台頭がありそうだ。
 AFP通信など外国メディアがタリバン兵士やバーミヤン近くに展開する反タリバン当局者の話として伝えたところによると、タリバンはロケット砲や戦車砲、自動小銃などを使い、大仏の破壊を続けている。また、アフガン・イスラム通信は同日、二体の大仏の周辺にタリバンが爆薬を仕掛けたと報じた。
 偶像崇拝を禁じたイスラム教の極端な解釈をとるタリバンの最高指導者ムハンマド・オマル師は、「真の神はアラーだけだ」として国内すべての彫像の破壊を命じた。
 仏教遺産として世界的に知られるバーミヤンの二体の大仏立像が破壊の危機にさらされたのは今回が初めてではない。バーミヤンを巡って反タリバンとの激戦が続いていた九七年、タリバン現地司令官が爆破を予告。しかし国際的非難にさらされ、タリバン上層部の判断で撤回された。九八年秋にバーミヤンを制圧した後も司令官が大仏の頭部にダイナマイトを仕掛ける穴を掘ったが、バーミヤン州知事の命令で中止に追い込まれた経緯がある。
 なぜ、今回、タリバンが破壊に踏み切ったのか。
 ニューデリーの防衛分析研究所のスリダル・ラオ研究員は「国際社会への報復」だと断言する。アフガニスタンは過去三十年間で最悪とされる大干ばつに襲われ、数十万人の避難民が発生。追い打ちをかけるように、国連安保理の制裁強化決議が今年一月に発効した。ラオ研究員は「制裁発効後、多くの人が死にかけているのに国際社会が何の反応も示さない。破壊はタリバン式の報復」と話す。その上で「タリバンを承認しているパキスタンなど三国が強い非難の声を上げないことで破壊命令が是認されたと受け止めた」と分析する。パキスタンのハイダー内相も「国際的孤立が反抗的態度をもたらした可能性がある」と語っている。
 一方、パキスタン高級紙ドーンの編集者イスラマバード・ジアウディン氏は、「イスラム国家では偶像破壊は珍しいことではない」と断ったうえで、「タリバン内の強硬派の圧力が強まったためだ」と述べ、国内の状況悪化で比較的穏健とされる層が強硬派に押し切られたとの見方を示した。

 

■タリバン、バーミヤン大仏など彫像の破壊開始(読売新聞 3月1日)

http://www.yomiuri.co.jp/05/20010301i113.htm

 アフガニスタンを実効支配するイスラム原理主義勢力タリバンは一日、AFP通信に対し、仏教遺産として世界的に知られるバーミヤンの大仏立像を含む国内すべての彫像の破壊に着手した、と明らかにした。彫像の存在は偶像崇拝を禁じたイスラム法に反するとして最高指導者ムハンマド・オマル師が先月二十六日に出した布告に基づくものだが、国際社会からは強い懸念の声が挙がっており、実際に破壊に着手したことで、国連制裁下にあるタリバンが一層の非難にさらされるのは必至だ。
 タリバンのジャマル情報文化相はAFP通信に対し、カブール、カンダハルなど全土で破壊行為が始まったことを明らかにするとともに、バーミヤンの大仏立像についても「どこまで進んだかは知らないが、あらゆる方法で破壊されるだろう」と述べた。バーミヤンには、約千の仏教石窟(せっくつ)とともに四〜六世紀に建造された高さ五十五メートルと三十八メートルの大仏立像がある。タリバンの破壊予告に対して国連のアナン事務総長が「人類共通の遺産だ」として撤回を求めたほか、日米など各国から強い懸念の声が挙がっていた。

 

■仏教遺跡バーミヤンなどを破壊 タリバン (毎日新聞 3月1日)

 アフガニスタンの国土の9割を支配するイスラム原理主義勢力タリバンのジャマル情報相は1日、同国中部の仏教遺跡バーミヤンの石窟(せっくつ)群を含む、国内のすべての彫像の破壊に着手したと語った。国連のアナン事務総長が同国の仏教遺跡を「人類共通の文化遺産」として保護を求める声明を発表したばかりで、世界的な反発を招くのは必至とみられる。
 AP通信などによると、同相は「国内のすべての彫像が、あらゆる手段で破壊される」と述べ、首都カブールをはじめバーミヤン、ヘラートなど国内各地で一斉に破壊作業に着手したことを明らかにした。カブールの博物館にある古い彫像なども破壊対象という。
 タリバン最高指導者のオマル師は2月26日、仏像などの偶像崇拝はアラーを唯一の神として崇拝するイスラム教の教えに反するとして、すべての彫像の破壊を命じた。
 バーミヤンには6世紀から9世紀にかけ建立され、世界最大といわれる石仏(高さ55メートル)を含む2体の巨大石仏など、世界的に貴重な仏教遺跡群が残っている。この巨大石仏もタリバンの破壊対象になっているため、アナン国連事務総長のほか、タイなどアジアの仏教国も、タリバンに対し自制を求めていた。
 戦略上の要衝でもあるバーミヤンを巡っては、タリバンと反タリバン連合が激しい争奪戦を繰り返してきた。反タリバン側は2月14日、バーミヤン奪還を発表。これに対し17日には再びタリバン側が奪い返したとされる。
 タリバンは1997年にも巨大石仏の爆破を宣言。98年には戦闘で小さい方の巨大石仏が被弾し、一部が破損したと伝えられた。
 パキスタン外務省は1日、在日大使館を通してアフガニスタンのイスラム原理主義勢力タリバンがすべての彫像の破壊を決定したことについて「世界的な文化遺産の一部である彫像や遺跡を全面的に保護するよう、同国政府に訴える」との声明を発表した。
 パキスタンはアラブ首長国連邦、サウジアラビアとともに、タリバンをアフガンの正式な政権として承認している。

 

保護運動

■タリバーンに仏像破壊の中止を呼びかけ 国連総会 (朝日新聞 3月10日)

http://www.asahi.com/0310/news/international10003.html

 アフガニスタンの支配勢力タリバーンが中部バーミヤンの仏像など歴史的遺産を破壊した事態を受けて、国連総会は9日、タリバーンに対し破壊活動を即刻中止しするよう全会一致で決議した。アナン事務総長はパキスタン政府首脳とアフガン情勢などについて会談するため、同日、イスラマバードに向かった。現地でタリバーンのムタワキル外相と会って、破壊の中止を呼びかけるとみられる。
 総会決議は、破壊中止のほか国連加盟各国にバーミヤンの仏像など歴史的遺産の「一時的な移動を含めた技術的保護策に協力するよう」呼びかけている。総会で演説した日本の佐藤行雄国連大使は破壊の中止を訴えると同時に、長く戦争と自然災害に苦しむアフガンの人々にたいして、「国際社会が即座に対応することが必要だ」と指摘した。
 アナン事務総長のパキスタン訪問は核問題や平和維持活動などが主な懸案だったが、バーミヤンの仏像破壊を受けて、タリバーンへの対応が最大の焦点となってきた。

■タリバンの石仏破壊を確認=松浦ユネスコ事務局長が批判声明 (時事通信 3月13日(
 国連教育科学文化機関(ユネスコ)の松浦晃一郎事務局長は12日、声明を発表し、アフガニスタンを実効支配するイスラム原理主義勢力タリバンが同国バーミヤンの巨大石仏を破壊したことを確認し、「文化に対する罪」とタリバンを激しく批判した。
 松浦事務局長はこの中で、アフガンに派遣したラフランス特使が破壊を確認したと述べた上で、「国際的な呼び掛けを無視して、アフガン国民のみならず、全人類共通の文化遺産を破壊したことは言語道断である」と強調した。 

■タリバン外相「大仏を日本で復元できるのか?」 (読売新聞 3月13日)

http://www.yomiuri.co.jp/05/20010312id23.htm

 イスラム原理主義勢力タリバンによる仏像破壊の停止を求めてアフガニスタンを訪問した保守党の松浪健四郎・衆院議員ら与党三党の代表団が十二日帰国し、東京・千代田区の衆院第一議員会館で記者会見した。
 代表団は、九日と十日にアフガン南部のカンダハルでタリバンのムタワキル外相と会談した際、同外相から「破壊した大仏などの彫像を、日本で復元できる技術があると聞いたが、本当に可能なのか」と尋ねられたことを明らかにした。これに対し、代表団は「技術的に難しいと思う」と回答した。
 また、松浪氏は、アフガニスタン・バーミヤンの遺跡が、国連教育・科学・文化機関(ユネスコ)の世界遺産に指定されていないことが、「遺跡の国際的な保護活動が進まない要因になっている」と指摘。バーミヤンの遺跡が世界遺産に指定されるよう、日本ユネスコ協会連盟副会長で、日本画家の平山郁夫氏と近日中に話し合う予定であることを明らかにした。
 松浪氏らはこの後、森首相と国会内で会い、訪問の結果を報告した。

■「彫像、日本移築を」タリバン高官が提案 (読売新聞 3月11日)

http://www.yomiuri.co.jp/05/20010310i212.htm

 アフガニスタンのイスラム原理主義勢力タリバンの彫像破壊中止を求め、九日にムタワキル外相と会談した日本の与党三党代表団は十日、バーミヤンの大仏などの彫像を国外に移送することを提案、同外相が「移築するならば日本でなければならない」と述べたことを明らかにした。
 タリバン高官が彫像の国外移送に前向きな姿勢を示したのは初めてだが、実現可能性については疑問も残る。会談内容は十日、カンダハル滞在の代表団から衛星電話でイスラマバードの日本大使館へ伝えられた。日本への移築問題は最高指導者オマル師に報告され、現在検討されている、という。

■タリバン仏像破壊 エジプト、破壊停止へ説得??ムバラク大統領が表明  (毎日新聞 3月9日)

■タリバン破壊の石仏 ルーブル美術館購入は不可能? 仏文化省担当者が見解 (産經新聞  3月8日)

■与党3党代表団 アフガン訪問へ 遺跡破壊中止を要請 (産經新聞 03/07)

■タリバン政権に破壊を非難、保護訴え フン・セン首相 (産經新聞 03/07)

■仏像破壊で東、西本願寺が要望書 (産經新聞 03/07)<

■タリバン仏像破壊 ハタミ・イラン大統領が批判 (毎日新聞 03/07)

■タリバン仏像破壊 中国仏教協会は批判声明 (毎日新聞 03/05)

■タリバン仏像破壊 バーミヤン仏像「買い取りも」??ギリシャが声明 (毎日新聞 03/05)

■仏像破壊「タリバン」非難の声明…国連安保理 (読売新聞 3月7日)

http://www.yomiuri.co.jp/05/20010307i406.htm

 国連安全保障理事会は六日夜、アフガニスタンを事実上支配するイスラム原理主義勢力タリバンによる仏像破壊を非難する声明を発表した。クチンスキー安保理議長(ウクライナ)は、記者団に声明を読み上げ、「アフガニスタンの文化遺産に対する不可解で不当な暴力行為」と非難した。
 同議長はまた仏像の移送・保存を提案した米ニューヨーク・メトロポリタン美術館長がタリバン側と直接交渉に入っていることを明らかにした。国連安保理が国連教育・科学・文化機関(ユネスコ)の管轄下にある文化財保護に言及したのは異例。
 一方、衛星による状況把握が可能な国の外交筋から六日夕、国連に届いた情報によると、破壊が懸念されるバーミヤンにある高さ五十五メートルと三十八メートルの二体の大仏立像のうち、五十五メートルの大仏像はまだ破壊の跡が見当たらないという。
 コフィ・アナン国連事務総長は十日にパキスタンの首都イスラマバード入りすることから、事務総長自身がタリバン高官に会い、破壊中止を求める方針も検討されている。

 

■アフガンの仏像破壊は「非人間的」=イラン大統領 (時事通信社 3月5日)

http://www.jiji.co.jp/cgi-bin/contents.cgi?content=2001030511204&genre=int

イラン国営通信が5日伝えたところによると、ハタミ大統領は、アフガニスタンのタリバンによる文化遺産破壊決定について、「非人間的で暴力的だ」と非難した。

 

■タリバン外相との話し合い決裂 ユネスコ特使 (毎日新聞 3月5日)

http://www12.mainichi.co.jp/news/search-news/819943/83o815b837e83848393-0-4.html

 アフガニスタンを支配するイスラム原理主義勢力タリバンが仏像の破壊を進めている問題で、仏像保護を訴えるためユネスコ(国連教育科学文化機関)から派遣されたラフランス特使は4日、タリバンのムタワキル外相と会談した。だが、話し合いは決裂し、タリバン側は今後も破壊を続ける強硬方針を堅持することを明らかにした。
 AP通信などによると、会談後、ムタワキル外相は「我々の決定をくつがえし、仏像の破壊をやめる理由は何もない」と述べた。ニューヨークのメトロポリタン美術館に続き、この日新たにイランが仏像の買い取りを提案したが、同外相はこれらの申し出も拒否した。

 

■「仏像破壊、即時停止を」=平山郁夫画伯ら訴え (時事通信 3月4日)

http://www.jiji.co.jp/cgi-bin/contents.cgi?content=2001030410036&genre=real&spgenre=soc

 アフガニスタンのタリバン政権によるバーミヤン仏教遺跡などの石仏像破壊に対し、国連教育科学文化機関(ユネスコ)親善大使の平山郁夫画伯らユネスコ関係者が4日、東京・日本橋の三越百貨店で記者会見。「世界平和と人類の文化に対する破壊的な挑戦には断固反対し、後世に禍根を残すあらゆる破壊的行動の即時停止を強く求める」とタリバンの最高指導者モハマド・オマル師にあてた緊急アピールを発表した。

 

■仏像破壊中止求めアピール 平山郁夫氏ら (朝日新聞 3月3日)

 アフガニスタンのイスラム原理主義勢力タリバーンが、同国内の仏像・彫像すべてを破壊するよう命じた問題で、平山郁夫・日本ユネスコ国内委員会会長が2日、日・米・英など6カ国の美術館や博物館の館長らに呼びかけ、破壊中止を求める緊急アピールを発表した。
 アピールを出したのは平山氏のほか、劉景龍・竜門石窟(せっくつ)研究所長、ロバート・G・W・アンダーソン大英博物館長ら9人。「バーミヤンの巨大石仏をはじめ、人類にとって大変貴重な文化遺産が数多くあり、近代国家としては、異文化といえども人類の歴史として保存する義務がある」などとして、タリバーンの指導者に、破壊をやめるよう求めている。

 

■仏像買い取り提案、タリバンに伝達=国連 (時事通信 3月3日)

 国連事務総長スポークスマンによると、アフガニスタン担当のベンドレル事務総長特使は2日、パキスタンのイスラマバードで、アフガンを実効支配するイスラム原理主義勢力タリバンの代表に会い、同国にある彫像・仏像などの文化遺産を買い取りたいとするニューヨーク・メトロポリタン美術館の申し出を伝えた。タリバンは反イスラム的だとして、同国内の彫像・仏像の破壊を始めている。 

 

■タリバン 巨大石仏像破壊に国際非難が続出 (毎日新聞 3月2日)

http://www.mainichi.co.jp/news/selection/archive/200103/02/0303m102-300.html

 タリバンが2日、バーミヤンの巨大石仏像の破壊に着手したことを受け、仏教国だけでなくイスラム教、キリスト教国を含む国際社会でタリバン非難が相次いでいる。
 仏教国タイの外務省報道官は2日、国際機関に対して、タリバンと事態収拾を目指すよう求め、ネパール外務省報道官は「不届きな行為」を糾弾した。
 エジプトのイスラム指導者ワセル氏は「石仏像は歴史の記録に過ぎず、イスラム信仰への悪影響はない」と指摘。タリバンを承認しているパキスタンも「国際社会の懸念を共有している」と石仏像保護を求めた。欧州連合(EU)も破壊停止を求める声明を発表した。
 文化財保護に取り組む日本画家の平山郁夫・ユネスコ親善大使は2日、中国、米国、英国、仏、独、日本の博物館・美術館長らと連名で「緊急アピール」を発表。「地球市民の立場から大きな危機感を抱いている。タリバン指導者に対し、寛容の精神をもってこれら人類の文化遺産を護るよう求める」と要請した。

 

■メトロポリタン美術館 タリバンに「仏像を売って」と呼びかけ(毎日新聞 3月2日)

http://www.mainichi.co.jp/news/selection/archive/200103/02/0303m026-300.html

 アフガニスタンのイスラム原理主義勢力・タリバンが国内の仏像の破壊を始めた問題で、ニューヨークのメトロポリタン美術館は1日、同政権に対し「破壊するぐらいなら費用を出すので譲って欲しい」と呼びかけた。同美術館側は、ロンドンの大英博物館やパリのルーブル美術館にも同調を呼びかける意向だ。
 モンテベロ館長は同日、秘書を通じて毎日新聞に「私たちは、仏像などの彫像を宗教的なものというよりも、文化的なものとみている」と述べ、「もし、タリバンが応じるなら、自分たちの資金を使える範囲で、可能な限り運び出したい」としているが、具体的な提示金額などは明らかにしていない。
 美術館側はまだタリバン政権とは直接交渉をしておらず、国連による経済制裁強化で困窮する同政権側の出方を待ちたいとしている。
 メトロポリタン美術館は、大英博物館やルーブル美術館と並ぶ国際的な美術館で、古代エジプトやギリシャ、ローマの美術品を多数展示している。

 

 

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